17日の上院のコロナ禍議会調査委員会(CPI)は、連邦会計検査院(TCU)監査員のアレッシャンドレ・フィゲイレード・コスタ・マルケス氏を召喚して行われた。マルケス氏は、コロナウイルスの死者数に関する内部データが同氏の父の手を経て友人のボルソナロ大統領の目に入ったことや、大統領が言及した書類は改ざんされていたことを認め、波紋を広げている。17、18日付現地紙、サイトが報じている。
この日の召喚は、ボルソナロ大統領が6月7日に、「各州が発表しているコロナウイルスの死者数は約50%も上積みされていたとする報告書が、TCUから発表される」と、TCUには寝耳に水の発言を行い、問題となったことを受けてのものだ。
問題の書類を作成したとされたマルケス氏は、同件で停職処分にされた。そのときから、同氏の父親で退役軍人のリカルド・シウヴァ・マルケス氏が改ざんした可能性が報じられ、疑惑を深めていた。
この日の証言でマルケス氏は、この騒動についての一部始終を説明した。それによると、公表される寸前まで行っていた疑惑の報告書は、マルケス氏がTCU内部で話し合うために作成したもので、報告書にする予定はなかったという。TCUでは、死者数を水増しすることは難しいという話でまとまっており、大統領が語るような結論には達していなかったし、正式書類を示すPDFではなく、ワードで作られていたという。
マルケス氏は「日曜(6月6日)に父にワッツアップを通じて見せたところ、父が『情報の出所はどこだ』と聞いてきたので、『自分だ』と答えたのだが、まさか父がそれを誰かに拡散するとは思わなかった」と真相を語った。
これらの証言は、16日にフォーリャ紙やグローボ局で報道されたものを確認する内容だった。マルケス氏は7月28日にもCPIに報告を行っており、「ボルソナロ氏にわたったことで資料が改ざんされてしまった」ことをすでに認めていた。
マルケス氏はそのとき、「ボルソナロ氏が6月7日にあのような発表を行った時、私は激怒した」とまで語っていた。また、大統領の発言後に同氏が見た書類は、TCUの公式書類のごとく改ざんされ、PDFにされていた。
マルケス氏は続く証言で、父リカルド氏はボルソナロ氏の陸軍士官学校時代からの友人で、今も親交があることを認めた。また、その縁で自身も社会経済開発銀行(BNDES)の役職へと指名されたが、TCUからの反対で流れたことも認めた。
これらの証言に対し、オマール・アジス委員長は、「いずれにせよ、あなたの仕事はブラジルのためでなく、大統領を正当化するために使われた。誰に頼まれたかは知らないが、誰かに命じられてやったものにはちがいない」と厳しく迫った。
この日のマルケス氏の証言後、CPI内の意見は、ボルソナロ大統領を公文書偽造または報告書改ざんの容疑で起訴する方向でまとまっている。