大サンパウロ都市圏北部フランコ・ダ・ロシャにあるジュケリー州立公園で22日に山火事が発生。同公園の森林に大きな損害を与えている。23日付現地紙、サイトが報じている。
火災は22日午前9時頃に発生。原因は、森林にバロン(底部に燃料などを入れて火をつけ、その浮力で飛ばす気球)が落下したせいだと発表された。同公園では2017年もバロンの落下による火災が発生し、200ヘクタールを焼失した。連日湿度が15%前後という乾燥状態の中、気温も上昇しているため、火が下草や木々に燃え広がり大きな被害を生じさせている。
消防は懸命に消火作業を行っているが、火災は23日も続いており、16時半の報道によると、同公園の森林は既に約60%にあたる1200ヘクタールを焼失したとされている。
今回の火災は広範囲に及んでいることもあり、火災によって発生した灰が風に運ばれて、サンパウロ市にも届き、市北部や市中心部で、灰の雨が降ったとの報告も出ている。この灰は州を越えて南部の州に黒い雨を降らせる可能性があるとも言われている。
降灰がおきたサンパウロ市北部では、21日にも先住民居住地のあるジャラグアーで火災が発生し、消火に10時間を要する大規模な火災となったほか、トレメンベー地区でも火災が発生。母と娘の親子が亡くなった。
いずれの場合も、大気が乾燥している上、気温が30度まであがり、引火しやすい状況になっていたことが火災多発の原因と推論されている。
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