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《サンパウロ市》接種パスポート発行へ=イベントなどで提示義務化=グアルーリョス市に次いで

ワクチン・パスポート(Tania Rego/Agencia Brasil)

 サンパウロ市のリカルド・ヌネス市長が23日、新型コロナワクチンの接種を受けた事を証明する「接種パスポート」を発行し、レストランやバールなどでも提示を義務化と語った。だがその後、市保健局はレストランなどはオプションとする見解である事を明かしたと23、24日付現地紙、サイトが報じた。
 欧州諸国では比較的早い時期から、コロナワクチンの接種を受けた事を証明する「公衆衛生上のパスポート(Passaporte Sanitário)」の発行や旅行時などの提示義務が討議されてきた。だが、ショッピングセンターやレストランでの提示義務化では意見が分かれ、抗議行動も起きている。
 それはパスポートの提示義務化で、接種を受けられない人や自らの意思で接種を受けないと決めた人は、公共施設の利用や旅行が実質的に不可能となるためだ。
 新型コロナワクチンは重症患者や死者の減少を招き、感染を抑制するための切り札とされているが、開発後間がない事などもあって、安全性や接種後の影響などに不安を感じている人がおり、接種義務化に反対する声も少なくない。

接種パスポートの導入で見解の相違が生じたと報じる23日G1サイトの記事の一部

 他方、ブラジルでも、公衆衛生上の必要を訴え、公務員に接種を義務付ける自治体や、接種を拒否した職員や従業員を解雇した病院や企業が出始めている。サンパウロ市は公務員に接種を義務付ける事を決めた自治体の一つで、接種義務化の方針を発表した時も物議を醸したが、パスポートに関しても様々な反応を呼びそうだ。
 接種パスポートは近隣のグアルーリョス市も導入を発表済みで、9月1日以降、18歳以上の人は、商店やバール、レストラン、スポーツジム、ショー、ショッピングなどでのパスポート提示が義務となる。
 サンパウロ市では、市長の発言と保健局の発言が食い違い、まだ検討中の部分が多い。だが、ビジネスショーや展示会などのイベントやサッカー観戦など、大勢の人が集まる場所での提示義務化は確定事項のようだ。これらの場所では、1度も接種を受けていない人を入れた場合、主催者に懲罰が科される。
 パスポートは携帯電話やタブレットで使えるアプリと紙の2種で、アプリは27日までにe―Saudeでダウンロードが可能となるという。提示が義務付けられる施設や機会の全容は、まだ公開されていない。
 公衆衛生専門の弁護士達は、ワクチン接種を無理強いする事は不可能でも、周囲の人々を危険にさらすという意味で未接種者の権利を制限する可能性はあるとしている。

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