24日、上院で次期検察庁長官の口頭試問(サバチーナ)が行われ、現職のアウグスト・アラス氏が2期目続投が承認された。25日付現地紙が報じている。
アラス氏は7月、2019年同様、検察庁の恒例となっている内部選で選ばれた3人の候補のリスト(トリプリセ)を無視したボルソナロ大統領によって、検察庁長官に指名された。
検察庁長官に正式に選ばれるには、上院の憲政委員会(CCJ)によるサバチーナが必須だ。今回のアラス氏に対するサバチーナは6時間に及んだ。
アラス氏は、コロナ禍への対応も含め、「ボルソナロ大統領に関する捜査が甘い」などの批判を浴びている。だが今回のサバチーナでは、「政治を犯罪行為扱いするのには反対だ」と語る一方で、「ボルソナロ大統領と同調しているわけではない」として、自身の姿勢をアピールした。
その例としてアラス氏は、ダニエル・シルヴェイラ下議やブラジル労働党(PTB)党首のロベルト・ジェフェルソンといった大統領派の人たちが最高裁への過激言動で逮捕されたことに対し、「最初は言論の自由を脅かすものとして反対した」と答えながらも、「実際に最高裁判事に対する威嚇が行われていた」ことを認め、考えを改めたと語った。
大統領が導入を強く求めた選挙では「印刷付き投票」(ヴォト・インプレッソ)に関しても「これまでの選挙高裁のやり方で不正はなかった」と選挙高裁の立場を擁護した。
そのほかの点では、ラヴァ・ジャット作戦に関しては「情報漏洩などは非常に問題で、特別扱いされすぎた」として批判した。
アラス氏は実名こそあげなかったものの、自叙伝の中で最高裁のジウマール・メンデス氏に殺意を抱き、拳銃の用意までしていたことを明かした前々任者のロドリゴ・ジャノー元長官を批判した。
アラス氏はCCJでの投票で21―6、上院全体での投票でも55―10を獲得。過半数(41票)を超えたことで、長官続投が決まった。
アラス氏の再任は上議たちの間では予定通りだと言われていた。だが、ボルソナロ大統領が指名した最高裁判事候補のアンドレ・メンドンサ氏のサバチーナの日程は未定の上、反対の意向を表明している上議も多く、承認が疑問視されている。