サンパウロ州商業連盟(FecomercioSP)が8月30日、サンパウロ大都市圏の社会階級別生活費(CVCS)は7月に平均1・06%、12カ月間では9・40%上昇したと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
同連盟によると、7月の上昇幅は2011年の統計開始以来、最大だ。CVCS上昇の最大要因は交通費で、42・67%値上がりした航空券やガソリンなどの燃料費の値上がりが響いた。
7月に12・45%、12カ月間は26・25%値上がりした電気代も、7月に3・39%、12カ月間では12・06%の居住費の上昇を招いた。
同連盟では、電気代の値上がりは、少雨と干ばつによって貯水池や貯水ダムの水位が下がり、火力発電を多用する必要が生じた時点で予想されていたとしている。他方、航空券の値上がりは学校が休みに入って起きた需要増が原因で、恒常的な圧力ではないという。
同連盟によると、生活費の上昇を一番感じているのは低所得者(Eクラス)だという。同クラスの生活費は1・49%上昇したが、最も裕福なAクラスでは0・70%のみだった。燃料費の値上がり幅はEクラスが4・21%だったのに、Aクラスでは1・47%しか上がらなかった。
サンパウロ大都市圏の食料品価格は0・54%下がり、庶民の負担を少し軽くしたが、12カ月間では10・86%値上がりしており、懐を圧迫してきた。この場合も、Aクラスでの食料品価格の値上がりは9%だったのに対し、Eクラスでは14・36%の値上がりとなったという。
商業連盟では、気候故のインフレ圧力は当面続き、電気代やコモディティ価格の値上がりが生活費や食料品価格、燃料費の値上がりにもつながると警告している。
CVCSは、サービス価格指数(IPS)と小売価格指数(IPV)、地理統計院(IBGE)による家庭予算調査(POF)の情報を用いて算出される。CVCSはサンパウロ大都市圏での148項目の価格を調べ、AクラスからEクラスまでの五つの社会階層毎の生活費を計算する。
商業連盟によると、IPVは7月に1・6%、12カ月間では14・85%上がったが、IPSは7月に0・55%、12カ月間でも3・85%の上昇で、商品価格の値上がりが懐を圧迫している事が明らかだという。
IPVをクラス別に見ると、A0・67%、B0・87%、D0・17%、E0・28%だった。また、IPSは、A0・73%、B0・93%、D3・28%、E3・36%だった。
なお、政府の公式インフレ指数のひとつの広範囲消費者物価指数(IPCA)は、7月に0・96%、12カ月間では8・99%上昇した。
やはり公式インフレ指数のひとつで各階級の給与水準も対象とする全国消費者物価指数(INPC)は、7月に1・02%、12カ月間で9・22%上昇している。