ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》大統領四男が疑惑ロビイストの助けで起業=コバクシン不正契約の仲介者=企業相談で100回以上も通信=ボルソナロ前妻も深い関係

《ブラジル》大統領四男が疑惑ロビイストの助けで起業=コバクシン不正契約の仲介者=企業相談で100回以上も通信=ボルソナロ前妻も深い関係

大統領四男のレナン氏(Twitter)

 ボルソナロ大統領四男のレナン氏(23)が、連邦政府の不正契約問題で揺れるインドのコロナワクチン「コバクシン」の契約で仲介役を担当した疑惑の企業、プレシーザ・メジカメントスのロビイストの協力を得て起業を行っていたことが明らかになった。1、2日付現地紙、サイトが報じている。
 レナン氏とプレシーザのロビイストとマルコニー・アルベルナズ・デ・ファリア氏との関係は、1日に上院のコロナ禍に関する議会調査委員会(CPI)が明らかにした。マルコニー氏はCPIの捜査対象の一人で、パラー州の連邦検察がCPIに送付した調書のコピーに含まれていたワッツアップでの会話の内容から、両者の関係が確認されたという。
 CPIによると、レナン氏は自身のイベント会社を立ち上げる際、マルコニー氏と頻繁に連絡を取り、同氏やその弁護士の協力を得て起業を行ったことが、携帯電話のメッセージのやりとりで判明したという。
 マルコニー氏が関与しているプレシーザ社は、保健省のワクチン契約では違法行為である仲介役を買って出たのみならず、インドのバラット社の商品であるコバクシンの購入契約を、相場の10倍以上の価格で行おうとしていたとして、CPIの捜査対象となっている。
 この契約は16億レアルに及ぶものだったが、不正疑惑が明るみになった後、保健省が正式に契約を破棄している。
 レナン氏はそのマルコニー氏と、少なくとも100通を超えるメッセージのやりとりを行っていた。
 メディアが報じ始めた内容(現在はまだその一部)によると、昨年9月17日に行った会話では、マルコニー氏が「契約に関してなんでも質問してくれ。私とウイリアムがいつでも相談に乗るから」とメッセージを送っており、レナン氏がそれに応じて会議の約束を行ったことが記録されている。

 ここで出てくるウイリアム氏は、マルコニー氏のCPIでの担当弁護士のウィリアム・アラウージョ・デ・ファルコメル氏のことで、マルコニー氏は同日中に同氏にメッセージを送り、会議の日程を確認している。ウイリアム氏は9月22日も、マルコニー氏から事務所の住所をレナン氏に送るよう要請され、「すぐ送る」と返答している。
 レナン氏の企業「ボルソナロJrエヴェントス・エ・ミディア」は昨年11月に設立されたが、連邦税務局に登録された電話番号は、ウイリアム氏の弁護士事務所と同じものだ。
 レナン氏の弁護士を務めるフレデリック・ワセフ氏によると、レナン氏とウイリアムス氏は「2019年にイベントで出会い、サッカーの試合などで偶然出会う程度の関係であり、友人というほどの間柄ではない」と密な関係性を否定している。
 この件は1日に報道されるとたちまち大きな反響を呼んだ。マルコニー氏は2日にCPIに召喚されていたが、1日に医師の診断書を提出して出頭できないと連絡してきた。そのため、CPIのオマール・アジス委員長が病院に電話をかけたところ、医師が診断書を撤回。それでも同氏が2日のCPIに欠席したため、CPIは2日、最高裁に対し、マルコニー氏を強制出頭させ、供述を行わせるよう要請した。
 また、CNNブラジルの2日の報道によると、マルコニー氏はレナン氏の母親でボルソナロ大統領の前妻のアナ・クリスチーナ・ヴァレ氏とも密に連絡を取り合う仲であったことが判明したという。会話の中には、マルコニー氏がクリスチーナ氏に連邦政府の人事の推薦を願い出たものも含まれていることが確認されている。