ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ボルソナロ家元家政夫が内情告発=前妻が給与割り戻し指揮?=賃金問題で辞職して暴露=メトロポレスが独占スクープ

《ブラジル》ボルソナロ家元家政夫が内情告発=前妻が給与割り戻し指揮?=賃金問題で辞職して暴露=メトロポレスが独占スクープ

マルセロ氏(Twitter)

 ボルソナロ大統領一家に14年間にわたって雇われていた人物が、ボルソナロ氏前夫人で弁護士のアナ・クリスチーナ・ヴァレ氏や、長男フラヴィオ、次男カルロス氏が行っていたとされる職員給与割り戻し(ラシャジーニャ)疑惑についてジャーナリストに暴露した。2日付現地サイト(3日更新)が報じている。
 これはサイト「メトロポレス」による独占スクープで、ジャーナリストのギリェルメ・アマド氏が、ボルソナロ家で働いていたマルセロ・ルイス・ノゲイラ・ドス・サントス氏に取材したものだ。
 マルセロ氏は2002年にフラヴィオ氏のリオ州議選のキャンペーンを手伝ったことを契機に、03年から07年まで、リオ州議時代のフラヴィオ氏付職員として働いた。
 だが、07年にアナ・クリスチーナ氏がボルソナロ氏と離婚した際、ボルソナロ氏から直接頼まれ、当時まだ9歳だった四男ジャイール・レナン氏の世話係をつとめるようになった。この報道では、その当時のレナン氏とマルセロ氏が共に映った写真も証拠として使われている。
 09年にアナ・クリスチーナ氏が再婚してノルウェーに移住すると、雇用関係はいったん終わった。だが、14年に彼女が帰国すると再び雇われ、給与の件で対立して今年辞職したが、その間の内情を熟知している。
 マルセロ氏によると、フラヴィオ氏の職員をつとめていた約4年間は、給与の80%を戻していたという。キックバックの総額はおよそ34万レアルに及んだという。

 その当時はアナ・クリスチーナ氏がフラヴィオ氏の職員だけでなく、リオ市議のカルロス氏の職員たちにまでラシャジーニャを指揮し、給与をファブリシオ・ケイロス氏に振り込むよう命じていたという。
 この状態はアナ・クリスチーナ氏とボルソナロ氏との離婚が成立した07年まで続き、以降は息子たちが指揮するようになったという。
 さらに、アナ・クリスチーナ氏はラシャジーニャで貯めた金で2020年の資産価値にして500万レアルの資産を所持。その中には、現在彼女がジャイール・レナン氏と生活しているブラジリアの富裕地区ラーゴ・スルの豪邸が含まれているという。
 その豪邸はアナ・クリスチーナ氏自身が賃貸だと主張しているが、マルセロ氏はそれを否定し、ラシャジーニャの金で購入したと語っている。同氏によると、彼女は当初、この豪邸を290〜320万レアルで購入しようとしていたが、最終的な購入額までは知らないという。
 豪邸購入のための資金には、偽名で受けた融資と不動産の一つを売って入った金、ラシャジーニャで貯めた金が使われており、金の動きが目立たないよう、二つのペーパーカンパニーも使ったという。
 マルセロ氏によると、アナ・クリスチーナ氏は、ボルソナロ氏の下議時代に噂されているラシャジーニャには関与していなかったという。
 マルセロ氏がアナ・クリスチーナ氏と袂を分かった直接的な理由は、ブラジリア転居後の月給を3千レアルと約束していたのに、1300レアルにされたためだ。それに加え、アナ・クリスチーナ氏の自宅では、外に出ることさえできない奴隷状態に置かれていたという。
 同氏は今年6月までアナ・クリスチーナ氏宅で働いていたが、レナン氏の助けを受けてアナ・クリスチーナ氏の家を出ると、一時的にボルソナロ氏のもとに身を寄せた後、8月にリオ州に戻ったという。
 今回の報道は、カルロス氏、レナン氏に関する疑惑報道が出た直後のものでもあり、疑惑を裏付ける形となった。