新型コロナの感染者や死者は減少が続いているが、8月31日~3日付現地サイトでは、全国のデルタ株による感染者は1週間で86%増、ミナス州では4日間で70%増など、懸念される報告が相次いでいる。
2日現在の全国の感染者は2083万495人で、新規感染者の7日間平均は2万1991人まで低下している。この数字は昨年11月11日の2万2607人を下回っている。また、2日現在の死者は58万1914人、新たな死者の7日間平均は621人だ。死者の7日間平均は600人台が7日間、減少は11日間、続いている。
他方、全国でのデルタ株感染者は8月31日現在で2613人(保健省のデータ)となり、8月24日の1405人から86%増えた。
州別感染者は、リオ907人、サンパウロ757人、リオ・グランデ・ド・スル230人、連邦直轄区181人、ミナス102人、セアラー96人、パライバ87人、パラナ76人、サンタカタリーナ63人、ゴイアス47人、アマゾナス18人、ペルナンブコ15人、マラニョンとエスピリトサント各7人、アマパーとパラー各5人、アラゴアスとバイア、リオ・グランデ・ド・ノルテ各3人、トカンチンス1人だった。
デルタ株による死者は50人が67人に34%増えた。内訳は、パラナ21人、リオ・グランデ・ド・スル19人、リオ11人、連邦直轄区5人、ミナス4人、ゴイアスとサンタカタリーナ各2人、バイア、マラニョン、ペルナンブコ各1人だ。
デルタ株の感染者数は新規感染者の一部のサンプル解析で確認されたものだから、実際の感染者はこれより多い。また、1日には2736人となり、8月3日現在の287人の約10倍になったとの報道もあり、急増ぶりが顕著だ。
保健省の集計ではミナス州の感染者は102人となっているが、8月31日付現地サイトは、同州のデルタ株感染者は4日間で102人から174人に70・5%増えたと報じている。
新規感染者に占めるデルタ株の割合も増えており、2日付現地サイトは、リオ州では86%が同株感染と報じた。同州ではこの時点で8市の集中治療室が満床となっている。新規感染者に占める同株の割合は6月の6%後、7月48%、8月86%と急伸中だ。
デルタ株感染者の増加はサンパウロ州でも顕著で、サンパウロ市市役所は8月15~21日の新規感染者に占めた割合は70%に達したと1日に発表。1週間前は43%だったから、同株感染者は急増中だ。
保健省のデータでは未集計だが、8月30日にはピラシカバ市役所が74歳の女性が同株感染で死亡と発表。8月31日には州保健局も確認した。
ブラジルでの症例報告はわずかだが、世界保健機構が8月30日、コパ・アメリカ開催時にも確認されたコロンビア株(B1.621)を要観察株に指定し、ミュー株(Mu)と命名した。同株は既に40カ国で確認済みで、ワクチン接種後も感染する可能性大と警告されている。ブラジルでは1日までに10例とされていたが、3日にはミナス州で5例確認との報道も流れている。