サンパウロ工業連盟(Fiesp)が当初8月31日に発表予定だった、「三権の協調」などを求めた声明にブラジル銀行連盟(Febraban)が賛同の署名を行ったことから、離脱をほのめかしていた公的銀行の連邦貯蓄銀行(CAIXA)とブラジル銀行(BB)が同連盟にとどまることになった。3日付現地サイトが報じている。
「三権の協調」などを求めた声明は、7日の独立記念日に反最高裁などを掲げた非民主的なデモをと煽ったボルソナロ大統領や現政権に対する抗議声明と解釈された。これに連邦政府の息がかかった公立銀行であるCAIXAとBBが難色を示し、CAIXAのペドロ・ギマリャンエス頭取がFebrabanからの脱退をほのめかした。パウロ・ゲデス経済相もFebrabanへの批判を行っていた。
Febrabanは2日に改めて、民主主義擁護の姿勢を変えないことを示したが、財界との距離が拡大していることなどを懸念する政府関係者らが、CAIXAやBBの離脱は溝を深めるだけとボルソナロ大統領を説得。大統領からも働きかける形で、CAIXAとBBの連盟離脱を思いとどまらせた。
ただし、Febrabanも同時に、Fiespが発表する予定だった声明から連盟の名前を削除することを発表した。
BBが3日に発表した声明には、Febrabanに参加する銀行の代表たちが1週間対話を重ねたことや、「対話と仲介による解決策提示」という関係者の努力を認めて、連盟離脱を思いとどまったことが記されている。
独立記念日のデモや三権の調和が乱れている現状に関しては、企業関係者からも強い批判が飛び交っている。