中央銀行が6日、8月は貯蓄預金(caderneta de poupança)の引き出し額が預け入れ額を上回り、54億6700万レアルの出超となったと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
貯蓄預金は4月以降、預け入れ額が引き出し額を上回る入超状態が4カ月続いていた。だが、8月は預け入れ額が2959億100万レアル、引き出し額が3013億6900万レアルで、5カ月ぶりの出超となった。
また、1~8月の累積は156億2900万レアルの出超となっている。昨年8月は、預け入れ額が引き出し額を114億200万レアル上回る入超だった。
それでも、8月は貸付その他による収入が27億1900万レアル生じており、1月からの収入の累計は1239億8100万レアルとなった。昨年の収入は史上最多の1663億1千万レアルだった。
昨年の収入増は、コロナ禍に伴う緊急支援金が振り込まれるようになった事と、新型コロナの感染拡大による先行き不透明感で不安にかられた人達が貯蓄に努めた事などが原因と見られていた。
だが、今年は新型コロナのワクチン接種が進展し、外出規制の緩和も進んでいる事などで、航空業界などの利用者が増えるなど、家庭消費に回されるものが増えた可能性がある。
また、インフレ高進で経済基本金利(Selic)が引き上げられている事で、より利率の良いファンドなどにお金を移す人も増える可能性がある。現在のSelicは年8・5%以下(5・25%)の上、中央銀行が上乗せする参考金利(TR)はゼロなので、貯蓄預金の利子は年3・675%となっている。
Selicが年8・5%を超えた場合、貯蓄預金の利子はSelicプラスTR(0・5%)となるが、8・5%以下の場合は、Selicの70%プラスTRで計算される。