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《ブラジル》環境犯罪に国家治安部隊派遣=アマゾナスとマット・グロッソで

アマゾナス州とマット・グロッソ州への国家治安部隊派遣承認と報じる法務省の公式サイトの記事の一部

 法務省が3日、アマゾナス州とマット・グロッソ州での森林火災や焼畑に対処するために国家治安部隊(FN)を派遣する事を承認し、連邦官報に掲載したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 連邦官報によると、FNの活動には、治安活動や環境保護、ならびに、両州の秩序の維持や住民と公的資産の安全の維持のために不可欠なサービスも含まれている。
 アマゾニア州での活動期間は11月11日までで、ウマイター、ラブレア、アプイー、ボカ・ド・アクレの各市で任務に就く事になっている。
 マット・グロッソ州での任務は10月2日までだが、どちらの州でも、必要があれば、派遣期間の延長もあり得る。
 法務省によると、今回の派遣承認で、法定アマゾンでは計17のグループのFNが活動する事になった。
 FNの活動の一部分は「生態系の守護者作戦」に組み込まれている。7月末に公表されたところによると、同作戦は各州政府の要請で行う、法定アマゾンやセラード、パンタナルの各生態系における環境犯罪撲滅のための「森林火災撲滅における統合行動のための戦略的運用計画」の一部をなしている。

 FNの派遣を決めたりするのは法務省だが、実際の活動には環境省や地域開発省、連邦警察、連邦道路警察、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)、生物の多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)、各州の法務局と環境局、軍警、消防隊も参加する。
 法務省によると、「生態系の守護者作戦」では8月に、アクレ、アマゾナス、アマパー、ゴイアス、マラニョン、マット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スル、パラー、ロンドニア、ロライマ、トカンチンスの各州で計5500件の森林火災の消火活動を実施。また、統合活動では同月に237人を環境犯罪で逮捕した。
 マット・グロッソ州政府は、FNの活動は国と州の機関を動員するアマゾニア作戦の一環で、森林伐採量の多い10市を中心に環境犯罪撲滅を目指すと語っている。今年始まったアマゾニア作戦は不法伐採撲滅に効果を発揮しており、働きを継続するためにFNの派遣を要請したという。
 FNは7月にも同州に派遣されており、伐採量の多い市を中心に監視活動を強化した結果、同月の不法伐採は昨年同月比で60%減少した。同州では、FNの再派遣により、不法伐採撲滅対策がより効果的になる事を期待している。
 なお、環境省は2日、IbamaやICMBioの働き強化のために700人、各生態系での森林火災や焼畑対策のために消防士6千人を、各々増員する計画である事などを明らかにした。