連邦直轄区の連邦地裁は3日、ルーラ元大統領がオデブレヒト社のために社会経済開発銀行(BNDES)の融資で特別な便宜を図った容疑に関する審理を打ち切った。6日付伯字サイトが報じている。
この判断は、連邦直轄区の連邦地裁のフェデリコ・ボテーリョ・デ・バロス判事が下したものだ。同判事は、オデブレヒト社がアフリカのアンゴラで行う予定だった事業に関する融資を保証するため、BNDESに働きかけたとする疑惑に関する裁判を打ち切る判断をくだした。
同判事は、この件に関する嫌疑は、ペトロブラス事業に関する「労働者党(PT)の犯罪組織」と称された集団(ジウマ元大統領、アントニオ・パロッシ元財首、ギド・マンテガ元財相、PTの中央会計だったジョアン・ヴァカリ・ネット氏)に関する疑惑の捜査から出てきたものであることを理由に、裁判打ち切りを決めており、新たな嫌疑が発生した場合は上告が可能としている。
同判事は、この犯罪組織に関する嫌疑の元であった、ルーラ氏のサンパウロ州グアルジャーの高級3層住宅を介した贈収賄疑惑も、同件に関するセルジオ・モロ連邦判事(当時)の判決には「偏りがある」と最高裁が判断した時点で崩れているとの判断を下した。
「PTの犯罪組織」に関する嫌疑の裁判は、「明白な証拠がない」とする連邦検察庁の要請で、19年12月にブラジリア連邦地裁によって結審となり、全員が免罪扱いとなっている。