新型コロナのために実施が見送られた国勢調査に関し、地理統計院(IBGE)が6日にテスト調査をはじめたと6日付現地サイトが報じた。
国勢調査は10年に1度行われ、2020年の調査のためのテスト調査は2019年にミナス州のポッソス・デ・カルダス市で行われた。
だが、20年の調査はコロナ禍で見送られ、今年4月に今年中に実施と最高裁が命じたが、今年の予算は予算案審議中に20億レアルから5330万レアルに削られ、実施不能となった。この額は今年4月の予算案裁可後、1億1560万レアルに引き上げられ、現在は1億7130万レアルに増額されている。
連邦政府は8月31日提出の来年度予算案に20億レアルを計上。これを受け、例年同様の質問事項の確認、機械チェックを兼ねたテスト調査ではなく、社会的な距離や各人の安全確保について確認するためのテスト調査を行う事になった。
テスト調査の場所に選ばれたのは、新型コロナワクチンの実験的な一斉接種により、85%以上の住民がワクチン接種を完了しているリオ市のパケター島だ。
テスト調査には、住民からの聞き取り調査を行う調査員12人と、調査時の防疫対策が充分かなどをチェックする観察員約30人が参加する。
同島でのテスト調査は24日までで、約1300軒の家庭を訪問する調査員には、1・5メートル以上の距離確保と、マスクやフェイスシールドの着用が求められる。今回の調査は完全なオンライン形式で、集計がリアルタイムで行われる。
IBGEでは、テスト調査後、距離確保のあり方などを再評価。11月からの連邦直轄区など、27カ所でのテスト調査に備える。実際の調査は来年6月から始まる。
★2021年8月17日《リオ市》パケター島で2度目の接種=月末には高齢者への補強も
★2021年4月7日《ブラジル》国勢調査員採用試験を中止=予算の大幅削減で実施を断念
★2021年4月29日《ブラジル》最高裁が国勢調査実施を命令=政府の予算削除で中止判断を受け
★2021年5月18日《ブラジル》最高裁=国勢調査の実施は来年に=今年行うとの仮判決覆る