独立記念日にボルソナロ大統領が行った最高裁への口撃などで政界が再び不安定になり、8日の市場でドル高進行と株価3・78%下落が起きた。また、大統領支持者による最高裁や保健省への侵入未遂が起こるなど、翌日もまだ混乱が続いている。8日付現地サイトが報じている。
8日の市場は、前日のボルソナロ氏の言動への反応が即座に表れた。13時5分の段階でサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は6日の時点から2・67%下がって11万4725・51ポイントを記録。ドルは2%上がり、正午には5・296レアルを記録していた。
この状態は午後になっても変わらず、15時58分現在のIbovespaは11万4222ポイントとなっている。6日のIbovespaは3日の終値より0・80%高の11万7868ポイントで終えていた。
結局、この日はIbovespaが11万3412・84、ドルが5・32レアルを記録して終えた。
市場は今回の大統領の言動により、「政局はより先行きの読めない不安定なものとなった」と見ている。ジェニアル・インヴェスチメントスのアナリストたちが出した声明では「大統領はまだ十分な人気があり、政治的に重要な人物であることには変わりはない」としながらも、「だが、この日のデモの結果、状況はより不確定かつ不安定なものとなった。経済成長の幅は狭まり、インフレはより高くなるだろう」との見方を示している。
一方、7日にブラジリアの三権広場に集まった抗議集団の一部が、8日もまだ同広場にとどまり続け、問題を起こしている。その中の一部は8日午前、保健省への侵入を試みようとして騒動を起こした。シャッターが閉められた状態となっている保健省に強引に侵入を試みようとした抗議集団の様子や、同省に出勤してきた職員や近辺で撮影を行っていたレコルデ局の撮影スタッフを襲う姿などは画像の形で記録、確認されている。
この行為による負傷者などは報告されていない。保健省は「事態は警備員たちによってすぐに収まった」との声明を出している。
また、三権広場にトラックで侵入していたトラック運転手たちが、最高裁の閉鎖を唱えながら最高裁への侵入を試みようと居座り、警察から監視されている姿も目撃されている。