7日の独立記念日のボルソナロ大統領の言動に対し、最高裁のルイス・フクス長官が8日、抗議声明を発表した。また、上下院議長や連邦検察庁長官らも、7日に関する反応ととれる言動をこの日に行っている。9日付現地紙が報じている。
フクス長官は8日午後、最高裁からの声明を読み上げた。同長官はそこで、「何人も最高裁を閉鎖することはできない」と宣言し、「司法命令に従わない行為は責任法の処罰対象となる」として、名前こそあげなかったが、ボルソナロ大統領の7日の言動が責任法に触れる可能性をほのめかした。
大統領は7日、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事の命令に従わないことを宣言した上、罷免を求める発言も行って支持者を扇動していた。
7日以降、大統領に強く影響されたトラック運転手たちが最高裁への侵入を求めて三権広場に居残る状況も生まれている。フクス長官はすでに陸軍に連絡をとり、最高裁前の警備の強化を求めている。
一方。ロドリゴ・パシェコ上院議長はボルソナロ大統領が6日に発行した、インターネット法に関する暫定令を、「しばらく審議しない」として差し戻した。大統領は今回の暫定令で、虚報拡散者を罰せず、SNSの企業に人種や性などに関する差別発言の削除などをさせないとしていた。通常、暫定令は発行から120日以内に連邦議会で承認されないと無効になる。
また、アルトゥール・リラ下院議長も7日の件に関して声明を出し、「インターネットでのばかげた投稿がこの国の現実として悪い影響を与えつつある」と、間接的なもの言いながら、大統領に対して厳しい発言を行った。
だが、大統領罷免請求の審議を開始決断する立場にありながら、これまで130通を超える請求を山積みしていることで批判されている同議長は、この日も大統領罷免に関しての言動を避けている。
さらにアウグスト・アラス連邦検察庁長官は独立記念日に関し、「国民の祝い事」と称しただけで、ボルソナロ氏の威嚇的な言動については触れなかった。なお、連邦検察庁のウンベルト・ジャッケス・デ・メデイロス副長官は最高裁からの質問に対し、大統領に対する予備調査の件数は過去最高だとし、アラス氏が自分の利益を得るために業務を怠っているとの批判に対する反論を行った。