地理統計院(IBGE)が8月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は0・87%、12カ月間の累積は9・68%上昇したが、16地域中8州都は累積インフレが10%を超えたと発表したと9日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
累積インフレ率が最も高かったのはパラナ州クリチバ市の12・08%で、アクレ州リオ・ブランコ市11・97%、マット・グロッソ・ド・スル州カンポ・グランデ市11・26%、マラニョン州サンルイス市11・25%と続いた。最低はリオ市の8・09%だった。
8月のインフレ率最高はブラジリアの1・40%で、ガソリン代の7・76%や電気代の3・67%が響いた。最低はミナス州ベロ・オリゾンテ市の0・43%だ。同市では航空券が20・05%、水道代が13・73%安くなり、インフレ圧力を緩和した。
12カ月間の累積インフレ率は、昨年8月時点の2・44%の4倍近い9・68%で、2016年2月までの12カ月間の10・36%に次ぐ高い数値となった。
IBGEによると、16年と今はインフレ高進の原因が異なる。16年は国全体が不安定で様々な要因が高インフレを招いたが、現在は、燃料の値上がりによる交通・輸送費と食料品や飲料の値上がりが主な原因だ。減速し始めたものの、居住費も8月と累積のインフレ率上昇に繋がった。
8月最大のインフレ圧力は2・8%値上がりしたガソリンだ。12カ月間で見ると、ガソリンは39・09%、エタノールは62・26%、ジーゼル油は28・02%、台所用液化ガスは31・70%、電気代は21・08%値上がりした。
8月は、車両価格も中古車1・98%、新車1・79%、バイク1・01%のように値上がりした。だが、公共交通費は航空券値下がりなどで1・21%下がった。アプリのタクシーは3・06%、市間バスは0・62%値上がりした。
食料品や飲料は1・39%、外食費は0・76%高くなった。値上がりが目立つ食材はピーマン32・87%、ジャガ芋19・91%、挽いたコーヒー7・51%、葉野菜や緑黄色野菜5・17%、部位別に分けた鶏肉4・47%など。玉ねぎと米は3・71%と2・09%安くなった。
居住費は光熱費の値上がり(電気1・10%、台所用液化ガス2・40%、台所用天然ガス2・70%)などで、0・68%上昇した。
保健衛生介護費は0・04%値下がりした。個人衛生用品は0・43%、保健プランも0・10%値下がりした。
サービス部門は0・39%高で、7月の0・67%より減速。政府が価格管理するサービスも、7月の1・68%以下の0・95%高で済んだ。
最低賃金1~5の人対象の全国消費者物価指数(INPC)は、8月に0・88%、12カ月間では10・42%上昇。食品価格は1・29%高で、7月の0・66%を上回ったが、非食料品は0・75%高で、7月の1・13%を下回った。
8月のINPCは2000年8月の1・21%以来、12カ月間では16年2月の11・08%以来の高率となった。