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《ブラジル》コロナワクチン=完了者は隔離免除で外国渡航へ=コロナバックは別扱いの国も=気になる15州での感染増加傾向

マスクがなければコロナ前と変わらないほど人が増えた街中(Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 ブラジルの予防接種が進展している事を受け、ワクチンパスポートがあれば到着後の防疫隔離を免除する国が出ている。一例はアルゼンチンで、1日からは同パスポートと搭乗前72時間以内のPCR陰性証明、到着から5日目と7日目のPCR検査を義務付けて国境を開放した。
 米国は11月から、世界保健機関(WHO)が認めたワクチン接種を完了したブラジル人の防疫隔離を免除。欧州34カ国はブラジル人の入国を認め、23カ国は接種完了者全員を受け入れる。だが、英、仏、独ではコロナバック接種者は別扱いとなる。
 英国で11日からブラジル人の隔離免除を認めたが、コロナバック接種者は搭乗前と到着後のPCR検査と10日間の防疫隔離が必要だ。フランスもコロナバック接種者にファイザーかモデルナによる補強接種を要請。ドイツではコロナバック接種者は未接種者同様、旅行の緊急性の説明とPCR検査の陰性証明が必要だ。
 一方、ブラジル国内では、新型コロナワクチンの接種進展により、基本的には感染者も死者も減少している。
 感染学上第40週(3~9日)の感染者は前週比で6・7%減の10万8064人、死者も11・8%減の3106人となった。最悪期だった感染学上第12週(3月21~27日)の感染者53万9903人や第14週(4月4~10日)の死者2万1141人と比べると、状況は大幅に改善している。

 第40週は感染者の7日間平均が1万5438人、死者の平均も438人となり、感染者は3日連続で1万5千人台を維持、死者も5日連続の400人台となった。
 ただし、第40週は新規感染者が15州、死者も10州で増加。感染者はパライバで160%、ロンドニアでも100%増えた他、アパマー、アラゴアス、サンパウロ州、ゴイアスの4州が前週比で50%以上増加。連邦直轄区も49・3%増えた。ロンドニアの死者55・6%増や、アマゾナス州の死者が6人から20人に増加なども気がかりだ。
 他方、アクレ州は前週の感染者マイナス12人が今週は18人など、9月8日に始まった保健省のシステム変更の影響が残っているところもある。だが、大半の州は外出規制緩和や経済活動回復で人出が増えており、感染者や死者の動向に注目する必要がある。
 ボルソナロ大統領はワクチンパスポート提示やマスク着用に反対し続けているが、8日付現地サイト掲載の全国市町村連合の調査では、1960市(63・9%)は市民全員が接種完了後もマスク着用を続ける意向で、義務解除を検討中2・4%、未定32・9%だった。全国で初めてマスク着用義務を外したリオ州ドゥッケ・デ・カシアス市では裁判所が同措置を覆し、着用義務が復活している。