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《ブラジル》両替や国外送金の規制変更=銀行以外の機関の参入許可

中央銀行(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 中央銀行と国家通貨審議会(CMN)が、国際的な支払いや送金に関する新たな技術の開発や新ビジネスモデルに即するものとなるように、両替と国際資本に関する規制を変更したと9日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 中銀は今回の規制変更について、「新たな規則は、国外から資金を送ったり、受け取ったりする市民や企業にサービスを提供するための競争力を高め、包括的かつ革新的な環境を整える事を促進する事を目指すものだ」と説明している。
 規制変更により、中銀が運営を許可した決済機関(フィンテック)は、電子メディアのみで運営されている外国為替市場でも運営できるようになる。現行規制では、両替などの取引を行えるのは銀行と証券会社のみだ。同許可は2022年9月1日、その他の措置は今年の10月1日から発効となる。
 中銀によると、証券ブローカーやディストリビューター、外国為替のブローカー、決済機関など、外国為替市場での営業を許可されたノンバンク機関は、国外で保有する外貨口座を国外で行われるビジネス決済に利用する事ができる。
 ブラジルの輸出業者は、自社名で保有している国外の金融機関の口座や、外国為替市場での営業を許可されているノンバンクの国外口座で、収益を受け取る事ができるようになる。

 新たな規制では、外国為替取引によるレアルの受け取りや支払いは金額制限がなくなる。また、中銀が運営を許可した、またはPIXへの参加が認められている金融機関やその他の機関に保有している顧客の支払い口座からも、レアルの受け取りや支払いが行えるようになる。また、国外居住者や国外に本社を置く居住者も、レアルで前払いする支払い口座を持つ事が認められる。
 中銀は、外国為替市場における国際決済または送金サービスの規制も統合、近代化され、国際的に利用できるカード発行者や国際決済を簡便化する企業、国際的な運送業務の仲介・代行業者らの参加を得て行われる、商品やサービスの購入に関する取り扱いを均一化すると説明している。これらのサービスは、外国為替規制ではeFXと呼ばれている。
 新たな規制では、eFXのプラットフォームを使った送金は、ある顧客が持っている口座から他の顧客の口座への場合であれ、一人の顧客が国内に持つ口座と国外に持つ口座との間でのものであれ、最大1万ドルまで認められるようになる。
 今回の規制変更は、2020年11月12日~2021年1月29日に行われたパブリックコンサルテーションに基づいて行われた。両替システムの近代化と新たな技術の導入は、中銀が研究中で、ブラジルから国外へのリアルタイムの送金を可能にする国際PIXの実用化への道を開く事にも繋がる見込みだ。
 中銀は、新たな規制への移行をスムーズに行うため、両替や国際送金に関する代表的な質問やそれに関する回答などを記載したサイトも用意している。質疑応答は以下のサイトで。https://www.bcb.gov.br/estabilidadefinanceira/faq_inovacoes_cambio_normas