新型コロナのワクチン接種の進展で感染者や死者の減少が続き、5~11日(感染学上の第36週)は新規感染者が25・4%減、新たな死者が26・6%減となり、第2波の感染中心地だったアマゾナス州(AM)では12日、62市中55市で入院患者がゼロとなった。
保健省統計による感染者は11日現在2098万9164人、12日現在も2099万9779人。7日間平均も11日1万5900人、12日1万5571人と、1万5千人台になった。
ブラジルは感染者が減らない内に第2波に突入したため、新規感染者の7日間平均1万5千人台は、第1波で感染者が急増し始めた昨年5月21日の1万5310人以来だ。
死者は11日現在が58万6558人、12日現在は58万6851人で、7日間平均が各457人と460人となった。死者の7日間平均は10日の454人以降、若干増えたが、8日の467人以降、5日間続けて500人未満だ。死者減少は12週連続だ。
観察中の患者は11日現在37万3566人、12日現在では36万2457人で、12日は感染者全体に占める割合が1・7%に下がった。死者数÷感染者数(致死率)は2・8%のままだ。
感染者減少で医療体制にもゆとりが出始めた事は、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が10日、成人用集中治療室占有率最高はロライマ州の82%、25の連邦自治体は60%未満、州都ではデルタ株の感染中心地のリオ市とロライマ州ボア・ヴィスタ市以外は重度の警戒域を脱出と報じた事でも判る。
なお、リオ市は11日の週間報告で入院者数が減少と報告。リオ州の死者は3週連続で増加後、5~11日は前週比で23・6%減の704人となった。だが、5~11日の同州の感染者は全国一、かつ前週比で86・3%増の2万2436人で、9日には過去最大の1日1万7736人の新規感染者増を記録した。
同様にデルタ株の感染拡大中のサンパウロ州も感染者減を手放しで喜べない。11日付フォーリャ紙によると、サンパウロ州では新規入院者の減少率が鈍り始め、5日以降は入院者数が増え始めた。集中治療室への新規入院者の平均は、5日の前日比で2・43%減が、9日は0・91%減に、一般病室も1・8%減が0・91%減になった。
サンパウロ州の5~11日の感染者1万1186人は前週比で70・5%減、死者も672人で同34・6%減だったが、当局はデルタ株の感染拡大で感染者や入院者が増加する事を懸念している。同州は8月17日に外出規制を大幅緩和している。