下院で15日、選挙法改正案の修正動議の採決が行われ、司法関係者や軍人は職を辞してから4年間は出馬を認めないとする修正動議が承認された。この項目は改正案の本文を承認した際には省かれていたが、修正動議の採決によって改正案に盛り込まれた。改正選挙法はまだ、上院での審議を待たなければならないが、今回承認された出馬条件は2026年からの選挙から適用されることになる。15、16日付現地紙、サイトが報じている。
15日に審議された修正案の中でも最大の目玉は、司法関係者、軍人、市警、軍警、検察官、市警備隊員といった公職にある人は、その職を辞めてから4年間は選挙に出馬できないとするものだ。ブラジルでは、2012年のメンサロン裁判後のジョアキン・バルボーザ(当時)判事、2014〜18年のラヴァ・ジャット作戦時のセルジオ・モロ(当時)判事のように、裁判で国民的な人気が出た人物の政界入りを望む声が高まる傾向があった。
それに対し、政治家側からは司法関係者の出馬や政界入りには慎重な意見が目立っている。マルセロ・ラモス副議長(自由党・PL)は司法関係者について、「人を逮捕したり、告発したりする立場にある職務の人はそれに専念するべきであり、その感覚を政治に持ち込むべきではない」と、三権の独立性の観点から主張している。
投票の結果、この修正案は273票対211票で承認された。14党の下議がこの法案に賛成し、9割以上が反対した社会自由党(PSL)など5党が反対した。
改正選挙法の本文は先週、378対80で承認された。報告官が加えた、司法関係者らの出馬は退職後5年間を経てという項目はこの時、3票差で却下されたが、15日には下院議長とセントロンの根回しで提出された修正動議が審議、承認された。
今回の改正案は2026年の選挙からの採用となので、2022年には関係しない。来年の場合は投票日の半年前の4月2日までに公職を退かなければならない。そのため、セルジオ・モロ氏の大統領選出馬は認められることになる。
この日は他の修正動議の投票も行われ、「ネット上での選挙広告の制限はしない」「世論調査は前日まで、出口調査は投票日の17時以降の公表」が賛成多数で承認された。
他方、「政党の使える費用は前回選挙で使った80%までに制限」「テレビ・ラジオでの選挙広告を禁止」が反対多数で却下されている。