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《ブラジル》20日からIOF引き上げ=生活扶助の資金確保目的で

IOF引き上げについて報じる17日付CNNサイトの記事の一部

 ボルソナロ大統領が17日、9月20日から金融取引税(IOF)を引き上げる大統領令を出したと16、17日付現地紙、サイトが報じた。
 IOFは融資や貸付、保険取引、為替取引、債権や有価証券の取引、金融機関による金の取得に対する税金で、通貨量調整機能もあるため、税率は頻繁に調整されるが、ボルソナロ氏は常々、現政権での増税はないと宣言していた。
 12月31日までのIOFは、企業(法人)向けが日利0・0041%から0・00559%(年1・5%が2・04%)、個人向けは日利0・0082%から0・1118%(年3・0%が4・8%)となる。

 引き上げによる税収増は21億4千万レアルと見られており、生活扶助(ボルサ・ファミリア、今後アウシリオ・ブラジルと改称)用資金に当てられる。連邦政府は、コロナ禍に伴う緊急支援金の支給が終わる11月から生活扶助の新プログラム導入を考えている。
 アウシリオ・ブラジルでの生活扶助額は公表されていないが、ゲデス経済相は15日、平均300レアル前後になり、1700万世帯が恩恵にあずかるはずだと語った。
 連邦政府によると、今回の課税率の変更で、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)やブタンタン研究所で行われている新型コロナワクチンに関する研究・開発や生産プロジェクトのような、科学技術向け商品の輸入割り当てを増やす事ができるという。
 連邦政府は、今回の措置はトウモロコシの輸入時に課せられる社会統合基金(PIS)/社会保健融資納付金(Cofins)をゼロとする事も可能にすると語った。これは、霜害などで高騰した食品関連の経費削減を目的とした措置だ。