リオ市南部のボタフォゴ区で16日夜、フード付の黒い上着を着た男性が同区ムニス・バレット街にある中国総領事館に爆発物を投げ込むという事件が起き、中国側が厳密な捜査を要請したと18日アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
事件が起きたのは16日夜9時48分で、総領事館前まで来た男が立ち止まり、隠し持っていた爆発物のピンを抜き、投げ込む映像が防犯カメラに残っていた。爆発物は総領事館の建物の一部を損壊したが、負傷者は出なかった。
現場検証はボタフォゴ区の警察が行い、爆発物の破片などを回収。目撃者なども探している。また、狙われたのが外国公館という事もあり、連邦警察も捜査にあたる。
中国側は事態を重く見て、「深刻な暴力行為」と指摘。18日に、徹底的な調査や法律に基づいた処罰及び、同様の事件の再発を防ぐための適切な措置を採る事をブラジル当局に要請する声明を出した。
声明では、「中国とブラジルとの間の密接な関係は両国の本質的な利益に関わるもので、両国の友好関係を破壊しようとするごく少数の人々の陰謀は成功しない。ブラジル政府がウィーン条約の規定にのっとり、この総領事館とその職員の使命を守り、施設や職員の安全と完全性を確保するための具体的な措置を講じる事を期待し、確信している」と述べている。
この事件はその直後、ボルソナロ大統領の家族や大統領派の元閣僚などによる、新型コロナウイルス拡散は中国の陰謀だとする説その他の言動に刺激された大統領の支持者による犯行ではないかという憶測が流れたが、犯人や動機はまだ判明していない。
事件が起きたのは下院の委員会がテロ防止法に関する報告官の意見書を承認した日の夜で、公館攻撃に関連して、ブラジル政府に真摯な対応を求める声は米国からも出ている。