ホーム | 日系社会ニュース | 50年ぶりの祖国で〝浦島太郎〟(2)=サンパウロ市 広橋勝造=エレベーターで「うっうーん」合戦

50年ぶりの祖国で〝浦島太郎〟(2)=サンパウロ市 広橋勝造=エレベーターで「うっうーん」合戦

 デパートで買い物して大きな紙袋を提げ、ドアが閉まりそうなエレベーターに急いで駆け込んだ。
 エレベーターはかなり満員だったが、あと二、三人は入れそうだと判断し、友人と一緒に背中から入った。
 入った瞬間、エレベーターが「ピー」と鳴ったが、俺は「ドアが閉まるぞ」と背中で後ろに押した。だが、ドアは一向に閉まらない。
 後ろの日本人(俺だって日本人)が、俺の背中を遠慮がちに押し戻した。
 俺は「うっうーん」と言って、少し押し返した。友人は諦めて(?)エレベーターを出た。
 すると、エレベーターの中の全員が、俺の背に向かって「うっうーん」と言い出した。
 エレベーター内が急に変な雰囲気になり、いたたまれなくなって、俺は仕方なくエレベーターから出た。
 するとエレベーターのドアが「スーッ」と閉まり、俺を残して別の階に去った。「人種差別なのか?」と疑った。
友「あの“ピー”と鳴ったのは重量超過とか人員超過の信号だよ」
 ブラジルのエレベーターで「ピー」は聞いたことがない。日本では、ほんのちょっとの重量超過でお怒りか。ブラジルではいいのにな~。