デパートで買い物して大きな紙袋を提げ、ドアが閉まりそうなエレベーターに急いで駆け込んだ。
エレベーターはかなり満員だったが、あと二、三人は入れそうだと判断し、友人と一緒に背中から入った。
入った瞬間、エレベーターが「ピー」と鳴ったが、俺は「ドアが閉まるぞ」と背中で後ろに押した。だが、ドアは一向に閉まらない。
後ろの日本人(俺だって日本人)が、俺の背中を遠慮がちに押し戻した。
俺は「うっうーん」と言って、少し押し返した。友人は諦めて(?)エレベーターを出た。
すると、エレベーターの中の全員が、俺の背に向かって「うっうーん」と言い出した。
エレベーター内が急に変な雰囲気になり、いたたまれなくなって、俺は仕方なくエレベーターから出た。
するとエレベーターのドアが「スーッ」と閉まり、俺を残して別の階に去った。「人種差別なのか?」と疑った。
友「あの“ピー”と鳴ったのは重量超過とか人員超過の信号だよ」
ブラジルのエレベーターで「ピー」は聞いたことがない。日本では、ほんのちょっとの重量超過でお怒りか。ブラジルではいいのにな~。