民主党(DEM)と社会自由党(PSL)との合併交渉が、両党の上層部クラスで進んでいることが明らかになった。実現すれば連邦議会最大勢力にもなりうるが、PSLのボルソナロ大統領派が合併に強く反対している。23日付現地紙などが報じている。
DEM党執行部は21日夜、会合を開き、「PSLとの合併」について話し合った。会合の冒頭で合併に賛成か否かが問われ、党執行部の40人がすべて賛成票を投じ、PSLとの合併に支障がないことが確認された。
票を投じた幹部の中には、ルイス・エンリケ・マンデッタ元保健相、ロドリゴ・パシェコ上院議長といった来年の大統領選の候補者となる可能性がある人物も含まれていた。
DEMは現在、来月までにPSLとの合併を成立させたいと考えている。それは、選挙高裁への手続き期間の問題で、遅くとも来年2月までに選挙高裁から正式に認められない限りは、合併は成立しない。
現在、両党が進めている交渉によると、PSLのルシアノ・ビヴァール党首が新党党首となり、DEM党首のACMネット氏が幹事長になることで話が進んでいるという。
仮にこの合併が成立すると、現在、労働者党(PT)と並んで下議1位のPSLは、現在の53人にDEMの28人を加え、81人の下院内最大勢力となる。そうなれば、同党は22年の大統領選や知事選において、最大の政党支援金を受け、テレビ、ラジオでも最長の放送時間を持つことになる。
だが、この合併案に対し、ヴィットル・ウゴ、ビア・キシス、カルラ・ザンベッリ氏など、PSL内のボルソナロ大統領支持派が強く反対している。それは彼ら自身が、大統領が所属する新党に所属したいと考えているためだ。
ボルソナロ氏は2019年11月、自身の新党「アリアンサ・ペロ・ブラジル」結党のためにPSLを離脱したが、同党は22年も成立する見込みがなく、現在は新しい所属政党を物色している状態だ。
だが、ビヴァール氏やマンデッタ氏、パシェコ氏らと不仲であることから、ボルソナロ氏がこの合併党に所属する可能性はほとんどないと見られている。