ボルソナロ大統領が23日、年内はトウモロコシの輸入関税をゼロとする暫定令(MP)を作成し、同日付官報に掲載したと23日付伯字サイトが報じた。
免税となるのは社会統合基金(PIS)と社会保険融資納付金(Cofins)で、免税措置は23日から有効となる。トウモロコシにかかるPIS/Cofinsを免税とする事による税収減少額は6647万レアルと見られている。
大統領府によると、今回の免税措置は、「天候上の問題と夏の収穫の遅れ、2期作目の播種の遅れ、在庫不足」により、トウモロコシの輸入量を増やす必要が生じたためにとられたという。
今年の降水量は過去91年間で最少。雨を待つ間に植付が遅れた上、6月から7月にかけての強い寒波で被害を受けた農産物が多い。
トウモロコシは伯国の主要農産物の一つだが、干ばつや降霜などによる収量減少により、食品として販売、加工されるものと豚や鶏の飼育用の双方を賄うために輸入量を増やす必要が生じた。
国内でのトウモロコシ不足はトウモロコシや加工品の値上がりはもちろん、水危機による電気代値上がりなどとあいまって、鶏肉や豚肉の値上がりも招いている。
専門家は、トウモロコシにかかるPIS/Cofinsの免税分は、先日出された大統領令による金融取引税(IOF)増税分で埋め合わせが可能で、国庫への影響は小さいと見ている。20日からのIOF引き上げは、ボルサ・ファミリアに代わるアウシリオ・ブラジルの扶助額増額や、科学技術関連の研究・開発用の資材輸入増のためにも用いられる。