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注意喚起=リベルダーデで当たり屋被害=無実の罪で弁護士に5千レ

運転中にぶつかりそうになる高齢者ドライバー(参考写真、まぽさん、写真AC)

運転中にぶつかりそうになる高齢者ドライバー(参考写真、まぽさん、写真AC)

 「当たり屋も、進捗報告がない弁護士も、うんざり。ブラジルに住む皆さん、くれぐれも注意してください」――昨年、東洋街で当たり屋の被害にあい、5千レアルの弁護士費用を支払ったサンパウロ市に住む塩野義治さん(東京都・79歳)は、そう神妙な面持ちで注意喚起している。
 塩野さんは、昨年2月に自家用車を運転し、リベルダーデ区アメリカ・ダ・カンポス通り交差点で信号待ちのため、一時停止していた。信号が青に切り替わり発進、50センチほど走りだした時に、右の歩道からブラジル人女性が横断しようとしたため、慌ててブレーキを踏んだ。
 早めに気づいたこともあり、女性の手前で停車したという。だが女性は停車した塩野さんの車のボンネットに自ら乗りあげ、クレームを言いながら塩野さんの車とナンバーの写真を撮影した。その女性と一緒にいた女性も塩野さんに文句クレームを言いながらその場を後にした。
 後日、警察から塩野さんの下に女性の被害届けと出頭命令が送付された。塩野さんは弁護士に相談した所、弁護士が「出頭すれば拘留される可能性が高いので出頭はしないほうがよい。こちらで解決する」と言い、警察と女性との間を取り持った。
 そんな中、コロナ禍による政府の感染自粛措置が始まり、警察からも弁護士からも連絡がなかったが、今年8月になって弁護士から突然「解決した」と連絡がきて、かかった弁護士費用5千レを請求された。
 塩野さんは、「弁護士が解決したから良かったけど、コロナ禍が理由とはいえまさか1年もかかるとは思わなかった。その間いっさい連絡もなく、忘れていたころに弁護士費用を請求されびっくりした。進捗報告が一切なかったので、どこで何が行われているかも分からないまま解決したことがモヤモヤする。なによりも承諾して多額の弁護士費用を払ったけれど、無実の罪なのに、お金がかかることは少し納得いかない」と苦い思いを語った。
 そして「ブラジルに住む読者の皆さん、当たり屋には十分注意してください。何も悪くないのに無駄にお金を使う羽目になりますからね」と注意喚起した。