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《リオ市》偽文書提示や賄賂を払う人も=接種証明がなく入場不能で

賄賂を払って証明書を受け取ろうとする人もいると報じる24日付G1サイトの記事の一部

 リオ市市役所が15日から、様々な施設やイベントの入り口で新型コロナの予防接種を受けた事を証明する書類の提示を義務化した事を受け、接種を受けていないのは身分証明書を盗まれたからといって別人の名前の被害届を提示する人や、接種会場の職員に賄賂を渡したり、証明書を受け取っただけで接種を受けずに帰ってしまったりする人が出ていると24日付G1サイトなどが報じている。
 市南部ジョッキー・クラブ内にある接種会場に現れた39歳の男性は、身分証明書を盗まれて7月に受けられなかったと説明。だが、被害届に記載された氏名は本人のものではない事に気づいた職員が警察を呼ぼうとすると、接種を受けずに立ち去ったという。
 この接種会場では少なくとも3回、接種を受けずに、証明書だけ受け取ろうとした例があるという。職員の一人は、65歳の女性が証明書を受け取った後、「トイレに行きたい」と言い始めたため、「それならば渡せない」と断ったところ、接種を受けずに帰って行ったと語っている。
 別の週には、証明書を受け取った後、接種を受けずに出て行こうとした女性をかろうじて止めた事があったし、警備員に賄賂を渡して見逃してもらおうとした男性もいたという。

 同様の例は市の健康センターでも起きており、必要事項を記載した証明書を受け取った後、接種を拒否した男性がいたので、証明書を返すようにと言ったら逃げ出したため、皆で食い止めたという。リオ市内の接種会場では、同様の形で証明書だけ持ち帰った例が1週間で8件もあり、職員が暴行された持ち逃げ事件も複数回起きている。
 リオ市保健局のダニエル・ソランス局長によると、持ち逃げ事件の場合は、登録時に使った納税者番号で本人が特定できるので、全員に罰金が科せられるという。また、暴行を受けた職員も軽傷で済んでいるというが、実際には、いくつもの鍵が付いたキーホルダーで目の近くを殴られたという、危険な例もあったようだ。
 接種証明書を持ち逃げした場合は刑法第297条に触れ、最大で2年半の実刑判決を受ける可能性がある。また、20日からは1千レアルの罰金が科せられ、支払わなければ、市の負債者名簿に記載されるという。
 また、これまでは、接種がスムーズに進むよう、朝一番で何も記入されていない証明書の用紙などを机の上に揃えておいたという会場も、持ち逃げ事件などが起きたため、職員が席を空ける時は机の上には何も残さないよう、徹底を図っているという。