中銀の通貨政策委員会(Copom)が22日に経済基本金利(Selic)を1%ポイント引き上げ、年6・25%とした。28日に公表される議事録には来年のインフレはより沈静化するとの見通しが盛り込まれるだろうと23日付現地サイトが報じた。
今回のelic引き上げは5回連続だった。これは、現在のインフレ要因である食料品や燃料、電気代の値上がりが終息せず、市場関係者のインフレ予測も24週連続で引き上げられている状況を反映している。
その事は、24日に地理統計院が発表した9月15日締めの広範囲消費者物価指数(IPCA―15)が同月としてはレアル・プラン導入後最高の1・14%、12カ月間では10・25%上昇した事からもうかがわれる。IPCA―15は市場の予想を超えていた。
中銀はインフレが抑制されるまでSelicの調整を続ける意向を表明し、次回も1%引き上げる事を示唆すると共に、来年は二つの要因でインフレが沈静化すると見ている事も明かした。
一つは、デルタ株による感染拡大の影響で、中国を中心とするアジア諸国の経済成長率が縮小すると見られている事で、もう一つはインフレ高進に驚いた新興国が採用した金融引き締めだ。
デルタ株による感染拡大は欧米諸国でも懸念材料だが、中国は現在、同株の感染拡大で経済成長率が低下。さらに恒大集団(エヴァーグランデ)の債務不履行問題で大きな揺るぎが出ており、今後も同国の成長率低下や鉄鉱石の価格低下が続くと見られている。
Copomのインフレ予想は今年が8・5%、来年が3・2%となっている。