ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》今週が流行の今後を決める?=連休後の増加を減らせるか=補強接種は医療関係者にも

《ブラジル》今週が流行の今後を決める?=連休後の増加を減らせるか=補強接種は医療関係者にも

マカパ市での高齢者への補強接種(PMM/Divulgação)

 新型コロナの最初の感染者確認から580日目の27日、現地サイトに「9月末の動向が今後の流行の行方を決める」との記事が出た。青少年へのワクチン接種や高齢者への補強接種開始で感染拡大抑制効果が期待される一方、規制緩和や独立記念日のデモ、旅行などで感染者や死者の減少が足踏み状態または微増状態となっているからだ。増えるのか、減るのか。
 ブラジル初のワクチン接種は1月17日に行われたが、その後はワクチン調達が進まず、接種のペースが上向くのが遅れた。このため、3月は感染者が219万7488人、4月は死者が8万2266人で新記録を更新。母の日商戦や経済再開の必要を説く声などで規制緩和を試みた事もあり、6月の感染者は再び200万人を超えたが、それからは感染者、死者共に減少傾向が続いていた。
 特に、6月20~26日(感染学上第25週)から9月5~11日(感染学上第36週)までの12週間は、感染者こそ2度増加を見たものの、死者は12週間連続で減少を記録した。
 だが、9月12~18日(感染学上第37週)は感染者、死者共に前週比で増加を記録。19~25日(感染学上第38週)の感染者は11万2979人、死者は3692人で、前週比では減少したが、第36週はどちらも上回っている。24日の死者の7日間平均584人は2週間前の454人を28・6%上回っており、6月22日の21・0%以来、3カ月ぶりの2週間前比で20%以上の増加となった。

 ワクチン接種が進む中での感染者や死者の増加は、デルタ株の感染拡大の影響もあるが、規制緩和に7日のデモや連休の人出が重なった事の方が大きい。一時は31万人を割っていた観察中の患者数も現在は41万人台に増えている。
 26日現在の感染者は2135万1972人で感染率は100万人あたり10万1605人、新規感染者の7日間平均は1万6027人、死者は59万4443人で死亡率は100万人あたり2829人、7日間平均は527人となった。
 なお、サンパウロ市や医療従事者の協会などからの要請を受け、保健省は24日に、接種完了から6カ月以上経った医療関係者への補強接種を認めた。今後の補強接種対象者は、免疫力が低い人、予防接種効果低下(抗体数の減少)が起き易い高齢者、抗体量以上のウイルスにさらされる可能性のある医療従事者となった。
 26日現在のワクチン接種は1回目1億4480万回、2回目または1回のみのワクチン接種8700万回、免疫力が低い人への補強接種2万9800回、高齢者への補強接種50万6900回となっている。