ボルソナロ大統領の就任1千日目の27日に中銀が発表した経済動向調査「フォーカス」は、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予測が年8・35%から8・45%に上方修正されるなど、厳しい数字を並べたものとなったと同日付現地サイトが報じた。
8月のIPCAは0・87%で、12カ月間の累積は9・68%。24日発表の9月の先読み指数(IPCA―15)は1・14%で、12カ月間の累積は10・25%と、インフレ高進が顕著な中、市場関係者の予測も25週連続で引き上げられた。22年の予想も4・10%が4・12%に微調整された。
今年のインフレ目標は3・75%で上限5・25%、来年の目標は3・5%で上限5%だが、中銀は既に今年のインフレを目標内に抑える事を諦め、来年のインフレ収束に焦点を当てている。
これを知る市場は、今年の経済基本金利(Selic)は8・25%との予測を維持。基本金利は3月の0・75%ポイント引き上げ以降、5度の調整で6・25%に達しているから、年内あと2回の会議で1%ポイントずつ引き上げられる算段だ。
年末時点のドル貨の予測は5・20レアルのままだが、来年は5・24レアルに上昇。貿易収支黒字額は今年707億ドル、来年630億ドルのままだ。外国人投資家による今年の直接投資は500億ドルの予測のままだが、来年は650億ドルの予測から620億ドルに引き下げられた。
政権発足1千日に関する現地サイトは、コロナ禍で失業者が増え、所得が減ったのに、燃料代や電気代、食料品の値上がりで購買力を失った庶民が飢餓に苦しんでいる事や広域停電の可能性などを挙げ、庶民は貧困化と厳しい評価をしている。