コロナウイルスへの効用が証明されていないヒドロキシクロロキンその他の早期治療キットの医薬品による不正治験や、それに伴う死者隠蔽、死亡記録の改ざん疑惑に揺れるプレベンチ・セニオルに、ジャーナリストのジオゴ・マイナルジ氏の父親の死亡記録の改ざん疑惑が浮上している。27、28日付現地紙、サイトが報じている。
マイナルジ氏は「ヴェージャ誌」出身で、ラヴァ・ジャット作戦やセルジオ・モロ元連邦判事、元法相を盛り上げたサイト「アンタゴニスタ」の主宰、保守派を代表するジャーナリストとして知られている。今回は身内にかかわるプレベンチの疑惑を指摘した。
マイナルジ氏は24日、自身が運営する雑誌「クルゾエ」の電子版のコラムで、プレベンチで死亡記録を改ざんされていた疑惑を持たれているプレベンチ医師のアントニー・ウォン氏と大統領派の企業家ルシアノ・ハン氏の母レジーナ氏のことに触れ、「私の父もこの2人同様、サンパウロ市のサンクタ・マジオーレ病院に入院して亡くなった。死亡記録も改ざんされそうになった」と告白した。
マイナルジ氏の父エニオ氏もジャーナリストで、20年8月にコロナ感染症で亡くなっているが、マイナルジ氏によると、この際に不審なことがあったという。
「父が亡くなった頃、(マイナルジ氏が反大統領派であったことから)多くのボルソナロ大統領支持派から『コロナで亡くなったのではない』とネット上で嘘の情報を流された。その中のひとりにニーゼ・ヤマグチ医師がいて、彼女もワッツアップ上でそれに加わっていた」と語った。ニーゼ氏はボルソナロ大統領が組んだとされる「影の委員会」のメンバーのひとりだ。
マイナルジ氏によると、エニオ氏が集中治療室に入った際に担当だったのがニーゼ医師だった。エニオ氏がウイルスによって腎臓がダメージを受けていること、さらに、同氏は肺炎で入院したが、院内でコロナに感染したことを、彼女はマイナルジ氏に告げたという。
マイナルジ氏は、疑惑を告発すれば、大統領派がまた、不正を隠蔽するために自身の父親の名前を使うであろうことを考えて言い出せずにいたが、現在は疑惑の解明を求めているという。