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《ブラジル》保健省が60歳以上への補強接種承認=インフルエンザと一緒もOK

新型コロナのワクチン接種(Tania Rego/Agencia Brasil)

 保健省が28日、新型コロナの補強接種の対象を60歳以上とすると発表した。同省はインフルエンザの予防接種との間隔を空ける必要はないとの見解表明も予定しており、同日接種や両者を合わせたワクチン開発の可能性も出てきた一方、一斉検査で感染拡大抑制との声とは裏腹に使用期限が切れる検査キットなどが総額8千万レアル超と28、29日付現地紙、サイトが報じた。
 新型コロナの接種を2度またはヤンセン社製ワクチンの接種を1度受けた接種完了者への補強接種は、免疫力の低い人と医療従事者、70歳以上とされていた。
 だが、28日にケイロガ氏がSNSで60歳以上への補強接種を認めると発表。保健相代行のロドリゴ・クルス副大臣も接種完了から6カ月以上を経た60歳以上の人への補強接種を認め、補強接種用ワクチンは今週中に配布開始と語った。

 保健省は、28日現在の新型コロナの予防接種は、初回接種1億4520万回、2度目の接種またはヤンセン社製ワクチンの接種8790万回、補強接種63万9100回とも報じた。
 多くの人は補強接種により感染リスクや重症化する可能性が減る事を歓迎しているが、一方で、1年間でコロナワクチンの接種を3回受けた上、インフルエンザの接種も受けなければならなかったとの苦言も出ていた。
 この点については専門家が二つのワクチン接種に間隔を空ける必要はないとの見解を出しており、保健省が2種類のワクチンを同日または2週間以内に接種しても構わないとの見解を表明するのは時間の問題とされている。一部の製薬会社は既に、インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンを同時接種するための準備も始めている。

期限切れで損失8040万レアル

 このように、新型コロナに関する防疫対策は各方面で進展しているが、そのような流れに逆行しているのは、新型コロナの検査キットを含む32種類の医薬品の使用期限が切れ、損失額は8040万レアルとの報道だ。
 保健省が購入した検査キットが使用期限切れで無駄になるとの報道は昨年から続いており、使えなくなるキット数は減少したが、今回は1万8千回分の検査キットと4万4千回分の脳膜炎用ワクチン、1万6千回分のインフルエンザワクチン、生理食塩水などの32項目、8040万レアル分が使用不能になるという。保健省が購入後に使用不能となった品は17年以降で271項目、1億9080万レアルに及び、96%は19年以降に集中しているという。