ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ディーゼル油価格が約9%値上がり=輸送費に反映してインフレ要因に

《ブラジル》ディーゼル油価格が約9%値上がり=輸送費に反映してインフレ要因に

 29日より、ペトロブラスがディーゼル油の製油所出口価格を8・9%引き上げた。29日付現地紙が報じている。
 今回の値上げでディーゼル油の出口価格は、これまでの1リットルあたり2・81レアルから1リットルあたり3・06レアルに0・25レアル上昇した。今回の値上げは85日ぶりだが、今年は既に51%値上がりしたことになる。ディーゼル油はトラック燃料にも使われるため、今回の値上げは全ての輸送コストに反映してインフレ要因となる可能性がある。
 ペトロブラスは今回の値上げに関し、「現在の経済状況に呼応したもので、供給できない地域を防ぐ意味でも重要なもの」との説明を行っている。
 今回の値上げは27日にペトロブラスのロジスティック部のクラウジオ・マステラ部長が、「ここ数カ月の為替の動きや、米国などによる供給減と国際的な需要の高まりにより、値上げが起こる」と語っていたことから予想されていた。

 同氏は「これまでの価格は、国際市場の動きと乖離していた」と語っていた。連邦政府は大幅値上げを避けるため、バイオディーゼルの混合率を下げたりしており、27日には大統領が「値下がりを期待している」と発言したが、値上がりを阻止することはできなかった。
 この点に関しては、ブラジル燃料輸入業者協会(Abicom)が24日に、「ディーゼル油で14%、ガソリンで10%の後追い値上げが起こる」と予想していた。だが、ペトロブラスは「国際価格は不安定だが、全てを消費者の負担としないよう、国際的な指標に従った」「価格に関するポリシーは変わっていない」と語っている。
 トラック運転手たちは、再度のスト決行の可能性も示唆している。