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《ブラジル》2100年のアマゾンは日陰でも46度?=森林伐採が進んだ場合をシュミレーション

人工衛星から撮影したアマゾン森林火災の様子(2019年8月24日、ESA/NASA – L. Parmitano )

 もし、法定アマゾンでの森林伐採が止まらず、地球温暖化が進めば、2100年までに同地域だけで1200万人が酷暑に見舞われることになるとの研究報告がなされた。1日付現地サイトが報じている。
 これは、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)と国立宇宙研究所(Inpe)、サンパウロ総合大学(USP)高等研究所(IEA)の共同研究として発表された。今回の研究は、もしこのままアマゾン森林伐採が進み、サバンナ(熱帯と砂漠の中間の草原地帯)と化したらどうなるかを想定したもの。
 それによると、サバンナ化が進むと、法定アマゾンに住んでいる人たちだけで1200万人が酷暑に見舞われることになるという。最後の国勢調査ではこの地域には2030万人の人が生活しているので、そのうちの60%あまりということになる。この研究では、将来的な人口増加を計算に入れていないため、それを考慮すれば、被害に見舞われる人はさらに増える可能性がある。

法定アマゾンの森林伐採のイメージ(Twitter)

 この研究によれば、この地域の平均気温が最大11・5度上がる可能性があると推測している。その場合、日陰における最高気温が、40度を超す日が年間7%以上になり、46度を超える可能性すらあるという。
 法定アマゾンでは既に、18%にあたる100万平方キロメートル以上の森林が伐採されており、さらに17%がそれに近い状態にある。別の研究では、これらの地域では既に木が育たず、背の低い草しか生えていない部分があり、二酸化炭素の排出量が酸素の排出量を上回っているところもあることを指摘している。
 さらに気象学者のカルロス・ノブレ氏は「今のままで行くと、アマゾンの熱帯雨林の大部分がサバンナになる可能性がある」と指摘している。「法定アマゾンの南部、ボリビアから大西洋にかけて、アクレ、ロンドニア、マット・グロッソ、パラーの各州の大部分は既に非常に懸念される状態だ。これらの地域では1980年代から、平均気温が2〜3度上がり、降水量が2~3割減っており、乾季が3〜4週間長くなっている。熱帯雨林特有の樹木の死も増えている」とノブレ氏は指摘する。
 またInpeのパウロ・ノブレ研究員は、「法定アマゾンの崩壊が進むと同地域での降雨が80%、中西部でのそれが50%まで減ることも考えられる」という。

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