ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》保健省=ワクチン交差接種なら証明なし=外国旅行に必要な英語書類=システム登録の遅れも問題に

《ブラジル》保健省=ワクチン交差接種なら証明なし=外国旅行に必要な英語書類=システム登録の遅れも問題に

異なったワクチンで接種を受けた人達が接種証明を取れないと批判する声を報じる1日付G1サイトの記事の一部

 イベントや施設への入場時、旅行時、就職時も新型コロナワクチンの接種証明を求める自治体や企業があるのに、異なるワクチンで接種を受けた交差接種者には保健省の接種証明(ワクチンパスポート)が出ず、旅行予定者などに懸念が広がっていると1~4日付現地紙、サイトが報じた。
 欧州などでは異なるワクチンによる接種の可能性を認めており、国の予防接種計画でも容認していると見る専門家がいるのに、アストラゼネカ社製ワクチンで初回接種を受けたが、2度目はファイザー社製だったという人が、ワクチンパスポートを受け取れないという事態が起きている。
 保健省は、「Conecte SUSによる接種証明は2度の接種または1度でよいワクチンの接種を受けた人に出す」としつつ、「異なるワクチンで2度接種を受けた場合は証明を出さない」との声明を出したが、理由は説明していない。
 初回接種はアストラゼネカ社製、2回目はファイザー社製という人は、サンパウロ市やリオ市などで出ている。エコノミストのカチア・フレイタス氏(42)は交差接種のため、保健省のアプリでもポ語の接種手帳しか取れず、外国旅行に要る英語の証明書が取れないと途方にくれている。

Conecte SUSのアプリの画面(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 結婚20周年を記念して昨年4月にフランスに行く予定だったが、パンデミックのために延期したアリネ・ドゥアルテ氏(44)は、アストラゼネカ社製ワクチンの在庫が尽きた事を知り、欧州では異なるワクチンによる接種を認めるかを調べた上、9月15日にファイザー社製ワクチンの接種を受けた。夫妻は今月20日に出立の予定で、接種を受けた事はシステムに登録されているが、ワクチンパスポートが取れずにいる。
 リオ市保健局はConecte SUSに関する疑問や問題を抱える人への対応用の専用メールを用意する一方、デジタル版が取れない場合は、「新型コロナの接種を受けた事を証明するため」との記載のある書類も有効と説明している。
 なお、ジャーナリストのマリリア・フォンセッカ氏(58)は、接種完了から2カ月後もConectteSUSにアクセスする事も接種証明を取る事もできなかった。だが、9月29日にフランス当局と連絡を取り、必要事項を記入し、航空券と予防接種手帳の写しを添えて申請したら2時間で欧州連合(EU)のワクチンパスポートが届き、旅行できたという。
 接種を受けた人の情報は遅くとも10日で保健省のシステムに登録されるはずだが、この期間を過ぎても登録されておらず、証明が取れないというケースも出ている。