コロナ禍で失業者などが増えた事を考慮して禁止されていた、電気代未払い者の電気を止める措置が1日から復活したが、サンパウロ州の電力会社Enelは貧困家庭の負担を軽減するため、分割払いなどに応じるキャンペーンを始めたと1日付現地サイトが報じた。
貧困家庭が電気代を払えなくなった場合の送電停止禁止措置は、国家電力庁(Aneel)が4月に導入したものだ。だが、外出制限が緩和され、経済活動も回復し始めた事などを受け、この措置が撤回された。
とはいえ、失業率は依然高く、新たに雇用された人も給与が低い職種が多いなど、庶民の経済力はまだ回復したとは言い難い。
このため、Enelでは1日から、社会電気料金(TSEE)に登録済みの貧困家庭には滞納に伴う罰金や利子を免除し、3~13回での分割払いを認める特別キャンペーンを始めた。
また、所得が最低賃金の半分(550レアル)以下の人、世帯所得が最低賃金三つまでで生活扶助などを受けるための統一登録システム(CadUnico)に登録されている家庭、慢性基礎疾患で電気を使う機器の使用が必要な患者のいる家庭、継続的な社会援助給付(BPC)受給者、1人あたりの世帯所得が最低賃金の4分の1以下の高齢者または障害者も貧困者とみなされる。
特別キャンペーンへの参加を希望する電気代滞納者は、Enelのサイトか電話(0800・7272・120)、Enelの営業所に直接出向くのいずれかで申し込みを行う事ができる。
電気代や緊急接続などの有料サービス料金の滞納による送電停止は15日以上前に書面で通達しなければならない。