アラブ首長国連邦で開催中のドバイ万博に出席中のジルソン・マシャード観光相が4日、ブラジル国内の空港便利用者は新型コロナのパンデミック前の80%まで回復したが、国際便は30%程度と発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
同相によると、ペルナンブコ州レシフェのハブ空港では、国内便利用者がパンデミック前の115%に達するなど、コロナ禍前のレベルを超える空港や航空会社も出ているという。同相は、コロナ禍前を上回っている航空会社の例としてアズル社の名前を挙げた。
国内便の復活が著しい北東部では、エコツアーの名所のナタル・ルス・デ・グラマドやカネラなどが、年末のホテルの予約もほぼ満杯となっている。同相によると、「北東部は実質的に予約が不可能だ」という。
だが、国際便の復調はまだまだで、国際便の利用客はパンデミック前の30%程度だという。
マシャード観光相は、ブラジルへの国際便利用者と、外国人投資家による観光資源への投資を増やす事を最大の目的としてドバイに降り立った。同相は、パンデミックが終息したら、多くの人が自然に接し、その美しさを愛でる事を望むと信じており、ブラジルはそのための諸条件を備えていると確信している。
だが、そのためには、国外でブラジルをアピールする必要があり、次のように言葉をつないだ。
「我々はブラジルをアピールするための資金を得ようと懸命になっている。国際的な観光客を獲得するための最大要因はどれだけアピールできるかだ。メキシコを見るといい。メキシコは国外でアピールするために5億ドルを投じている。だから、ブラジルに来る外国人観光客のほぼ10倍の観光客がメキシコを訪れるんだ。我々は今、連邦議会と協力し、観光公社であるエンブラツールの資金力を増すために尽力している」
同相の目標は、ブラジルを訪れる外国人観光客の数を1200万人に増やす事だ。この数は2018年に記録した662万人のほぼ倍にあたる。2016、17年は約660万人だったが、2019年は635万人に終わっている。
2019年は米国やカナダ、日本、オーストラリアとの間でビザが不要となり、700万人がブラジルを訪れると期待されていたが、ブラジルへの観光客全体の約3分の1を占めるアルゼンチンが経済危機に陥り、客足が伸びなかった。
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