1~8月の重症急性呼吸器症候群(SARS、ポ語SRAG)による0~14歳児の入院件数は8万9826件で、昨年の総数以上と4~5日付現地サイトが報じた。
保健省のインフルエンザ監視情報システム(Sivep-Gripe)と、サンパウロ総合大学(USP)と州立パウリスタ総合大学(Unesp)によるパンデミック監視プラットフォーム(Info Tracker)の情報を統合した結果、1~8月の0~14歳児の入院件数は、昨年の年間入院総数を17%超える8万9826件に達したという。
SARSは新型コロナ以外のウイルスでも起こるが、昨年の大人のSARS患者は大半が新型コロナ感染症だった。パンデミック前の19年の年間総数と比べた子供の入院数を見ても、昨年が約3倍(194%増)、1~8月は約3・5倍(244%増)で、新型コロナの影響は明らかだ。
増加率が最も高い0~4歳児は4万172人が5万4342人に35%増え、5~9歳も2万3840人が2万4089人にと1%増えたが、10~14歳は1万2650人が1万1395人に10%減少した。
月別入院件数は、1月7059件以降、2月9285件、3月1万3554件、4月1万1314件、5月1万3808件で、新型コロナ第2波の動きと似ている。6月以降は1万2378人、1万1678人、1万750人と減り、新型コロナワクチンの接種進展と呼応しているが、減少率は大人より鈍い。
リオ市は4日、市民の65%の接種が完了すれば、人ごみのない開放空間でのマスク着用義務を解く意向を表明。開放空間なら、1千人以下でマスク着用を条件とするイベント開催も認めるという。75%が接種完了となれば、病院や公共交通機関以外のマスク着用は不要とし、イベントの人数制限も解く意向だ。
サンパウロ市も同日、82%の市民が2度の接種か1度でよいワクチンの接種を終えており、集中治療室占有率は49・6%に低下、7日間平均の死者も43人に減ったと発表。来年のカーニバルは延べ1500万人が街頭に繰り出すだろうとも語った。
だが、ブラジルでの新型コロナの予防接種は12歳以上にしか認められておらず、0~11歳児の感染防止には、周囲の人の接種率を上げて防疫壁を作る、消毒、換気、マスク着用といった防疫対策を続ける必要がある。
0~14歳児のSARSによる死者は1656人で、単純計算すれば昨年中の2397人を上回る可能性があるが、12歳以上の人への予防接種進展などで入院件数が減り続ければ、死者総数も減る可能性が高まる。