青少年や接種完了後6カ月以上の高齢者への新型コロナワクチンの接種が進み、コロナ感染症による死者の7日間平均が再び500人を切った。また、5日付現地サイトはワクチン接種で重症化や死が減少する事を示す研究成果も報じた。
保健省統計による5日現在の新型コロナの感染者は2149万9074人で、感染率は100万人あたり10万2305人、新規感染者の7日間平均は1万6755人となった。7日間平均は9月25日以降、1万6千人台が続いている。
また、同日現在の死者は59万8829人で、死亡率は2850人/100万人。死者の7日間平均は483人で、9月14日から続いていた500人台から400人台に戻った。メディアの平均は4日から400人台となっているが、保健省統計での4日の平均は四捨五入で500人に切り上げられていた。
死者数は感染学上第37週(9月12~18日)の前週比で23・6%増以降、第38週6・5%、第39週4・6%と減少が続いている。
ワクチン接種と死者減少の関係を示す研究の一つはサンパウロ市エミリオ・リバス感染学研究所が1月~9月15日に行った入院患者1172人の追跡調査で、2度の接種または1回でよいワクチンの接種を終えた接種完了者は入院患者の12%のみ。死者274人中、接種完了者は5・8%の16人で、接種を受けていない人は15倍の237人だった。接種完了者の83%は基礎疾患があったが、過半数は集中治療室(UTI)への入院が不要だったという。
マット・グロッソ・ド・スル州のオズワルド・クルス財団(Fiocruz)は9月1~26日に死亡した患者の資料を解析。59歳以下の死者を見ると、接種完了者は12%、接種未完了者は83%だった。同財団の医師はデルタ株感染が広がる中でも死者が減少している事に触れ、1度の接種では重症化抑制効果が弱いから、接種を完了するよう勧めている。
また、ミナス州連邦大学は、同州内で死亡した患者の内、67%は未接種者、22%は初回接種のみか接種完了から15日以内、接種完了後2週間以上経った人は11%だったと発表した。同大学教授のレナト・サンタナ氏は、「接種完了者が1人いるとウイルス感染が起きる可能性が減るから、接種完了者が増えるほど感染拡大のチャンスも減る」と語った。
5日にはリオ州ドゥッキ・デ・カシアス市のワシントン・レイス市長がコロナ感染症患者と擬似症患者以外のマスク着用義務を解除したが、同市の接種完了率は46・8%で、専門家や周辺の市は感染再燃を恐れている。