ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》9月はインフレが過去27年間で最悪=直近12カ月間は10%超

《ブラジル》9月はインフレが過去27年間で最悪=直近12カ月間は10%超

9月のインフレを伝える報道(Twitter)

 8日、9月の広範囲消費者物価指数(IPCA)が発表され、過去27年間で最大となる1・16%を記録。直近12カ月間の累積も10%を超える事態となった。8日付現地サイトが報じている。
 地理統計院(IBGE)が8日に発表した9月のIPCAは、8月に記録した0・87%をさらに上回る1・16%を記録した。
 この数字は昨年12月の1・35%や、市場が予測していた1・25%より小さいが、9月の物価上昇率としては、レアル・プランが導入された1994年9月に記録した1・53%以降の27年間で最悪の数字となった。
 また、直近12カ月間の累積は10・25%となり、2016年2月に記録した10・36%以来のワースト記録となった。1年前の2020年9月のそれはわずか3・14%に過ぎなかった。
 IBGEによると、10・25%のうち、1・93%ポイント(P)はガソリンやディーゼル油といった燃料関係によるものだという。その他に目立つのは、1・25%Pの電力、0・67%Pの肉、0・38%Pの家庭用の液化ガスだ。

 9月の場合は、対象となる9部門のうち、教育を除く8部門でインフレが記録された。その中でもっとも大きかったのが「居住費」の2・56%で、「交通・輸送費」の1・82%、「飲食費」の1・02%がこれに続いている。
 居住費をもっとも押し上げたのは、「電気代」の6・47%だ。これは、少雨・干ばつによる水危機で、火力発電を多用する必要が生じ、100キロワット/時あたりの追徴金が従来の最高値の赤旗2よりも高い紫旗(14・20レアル)に引き上げられたのが原因だ。紫旗は、少なくとも今年いっぱい適用される見込みだ。
 また、家庭用の液化ガス(ガスボンベ、ボチジョン)も3・91%値上がりを記録。12カ月間の累積だと35%の値上がりとなっている。
 この結果が出た8日午前、ボルソナロ大統領は、「わが国はパンデミックによる経済への影響が世界で最も小さかった」と語っていた。
 だが、その大統領発言の後、ペトロブラスはガソリンと家庭用液化ガスを各々、7・2%値上げすると発表。10月もインフレ傾向が続くことをうかがわせた。