12日、「ノッサ・セニョーラ・アパレシーダの日」にサンパウロ州のアパレシーダ聖堂でミサが行われ、そこにボルソナロ大統領も出席したが、喝采と野次で迎えられた。12、13日付現地紙、サイトが報じている。
パンデミックの状況下で行われた昨年のアパレシーダ聖堂のミサは、参拝者の姿もまばらで、同聖堂始まって以来の閑散とした状態で行われた。今年はパンデミックの状況に変わりはないものの、コロナワクチンの接種が行き届き、全国的に感染者、死者数が減少傾向の中で行われた。
人の入りはパンデミック前には遠く及ばないものの、用意した椅子席は、一つに3人までという限定された人数ながら、人で埋まった。この光景を前に、感涙にむせぶ参拝者の姿も多く見られたという。
ミサはこの日の午前7時からはじまったが、ボルソナロ大統領は午後1時30分頃に現地に到着した。大統領は8日から公務を入れない状態でサンパウロ州海岸部のグアルジャーに滞在しており、現地にはヘリコプターで赴き、ジャージ姿で現れた。
大統領が到着した時の動画は方々のネットにあげられたが、大統領を迎えた人々の間では、大統領に対する称賛の声と野次が入り混じった。宗教部門はボルソナロ氏への支持が強い分野の一つだが、カトリックでの支持率低下を象徴する一幕となった。
大統領は午後2時からのミサに参加。客席から進行を見守った後、ミサ終了後に壇上に上がった。この際、はめていたマスクを外して司教たちと写真撮影を行っており、その行為も批判の対象にされた。
同聖堂のオルランド・ブランデス大司教は、大統領が到着する前の午前中のミサで、「愛される(アマード)国になるためには武装する(アルマード)必要はない」「嘘や虚報がない国に」「汚職のない国に」など、ボルソナロ氏の名前こそ出さなかったものの、政権批判と取れる説教を行っていた。
ボルソナロ氏や閣僚が出席したミサでも、同聖堂報道担当のジョゼ・ウリセス・ダ・シウヴァ司祭が武装化に反対する発言を行った上、「人の命は政治や経済、宗教などよりも優先されるべき」として、現政権のコロナ対策批判と取れる説教を行った。