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《ブラジル》シロ・ゴメス「ジウマ罷免はルーラの謀略」 大統領選の左派共闘を否定

シロ氏(Leo Cannavaro)

 22年大統領選の有力候補のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)が13日、「ルーラ氏自身がジウマ氏の大統領罷免を企んだ」という持論を展開し、ジウマ氏と衝突した。この一件で、大統領選でルーラ氏とシロ氏の左派同士の協力体制が難しくなったと14日付現地紙が報じている。
 シロ氏のこの発言は、エスタード紙が主宰するポッドキャストの放送中に飛び出したものだ。シロ氏は22年の大統領選でルーラ氏がレナン・カリェイロス上議やエウニシオ・オリヴェイラ元上議(共に民主運動・MDB)と選挙協力を行うとの噂に関し、「ルーラ氏がジウマ氏の罷免をするよう働きかけたのでは」と語った。MDBはジウマ氏を追いやった、当時副大統領だったミシェル・テメル氏の政党だ。
 シロ氏によると、レナン、エウニシオ両氏は16年にジウマ氏が大統領罷免にあった際に上議として罷免に賛成した立場だったのに、労働者党(PT)は18年の上議選でレナン氏を支援し、今回もまた協力しようとしているという。

 「私はジウマ氏が罷免審議にあった頃、不人気な決断ながら罷免を阻止しようと戦った。それにもかかわらず、PTは私ではなく、罷免の中心となったMDBと連帯を組もうとしている」とその姿勢に疑問を投げかけ、その背後にあるのがルーラ氏の謀略だとした。
 このシロ氏の言動に対し、ジウマ氏はツイッターで「ルーラ氏の大統領選でのイメージを悪くするためならなんでもやるのか」とシロ氏を批判した。大統領選の世論調査では、ルーラ氏への支持が40%台後半なのに対し、シロ氏は10%未満となっている。
 シロ氏の発言に対してはルーラ氏も呆れ、「シロはコロナで頭がおかしくなったのか」と皮肉っている。
 シロ氏はルーラ氏と同じ大統領選の左派候補ではあるが、現在はルーラ氏、ボルソナロ氏と異なる「第3勢力」の座を狙っており、ルーラ氏と左派同士で組んでボルソナロ氏を倒す協力体制はできていない。