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《ブラジル》PSDB大統領候補にレイテ有利=党内選挙で大物続々支持=タッソら反ドリア派が集結=アエシオやアウキミンも

レイテ氏(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 来年の大統領選に向けて、民主社会党(PSDB)が11月21日に予定している大統領候補を決めるための党内選挙が白熱しており、リオ・グランデ・ド・スル州知事のエドゥアルド・レイテ氏が大物たちの後押しを得て、本命と目されていたジョアン・ドリア聖州知事を脅かす状況になっている。15日付現地紙が報じている。
 1994年の大統領選以降、2014年まで、6回連続で決選投票に候補を送り込んできたPSDBは、2022年の大統領選を復権をかけたものとしてとらえている。そのため、今回の候補者選びにはひときわ注目が集まっている。
 当初はドリア・サンパウロ州知事が、その知名度や本人の意欲の強さから有力とみられ、世論調査も同氏を同党候補にあげて行うところが多い。現状でのドリア氏は4番手だが、決選投票のシミュレーションではボルソナロ大統領に勝つという結果が出ている例もあるなど、有力候補ぶりを発揮している。
 だが、このところ、ドリア氏の対抗馬として見られていたレイテ氏に有利な状況が報じられている。
 14日、レイテ氏は党の重鎮のひとりタッソ・ジェレイサッチ上議とポルト・アレグレで会談し、党内選挙での協力を取り付けた。2017年から18年にかけて党首代行もつとめたタッソ氏は、北東部の同党関係者の間で影響力を保っている。タッソ氏は9月末にレイテ氏への支持を公言していた。
 来年の大統領選に向けたタッソ氏の構想の中には、レイテ氏を大統領選世論調査で3位のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)の副候補とすることで、ルーラ氏、ボルソナロ氏に対抗する「第三の候補」を印象付ける可能性も含まれているという。
 レイテ氏は15日にミナス・ジェライス州、17日はサンパウロ市に赴き、党内選挙に向けたキャンペーンを行うが、これも大きな意味がある。ミナス州は同党内でも伝統的に強い支部で、すでにレイテ氏支援を決めている。2017年の贈収賄スキャンダルで失脚したものの、同地区では現在も強い影響力を持っている2014年の同党の大統領候補、アエシオ・ネーヴェス氏もレイテ氏を支持している。

 また、17日にはドリア氏の膝下であるサンパウロ市で、エスフェラ・ブラジルという団体主催の会合で、市を代表する銀行家や産業界の大物たちと将来のヴィジョンについて話し合う予定だ。
 レイテ氏はサンパウロ州でも、同党のサンパウロ州支部長経験者であるアントニオ・カルロス・パヌンジオ氏とペドロ・トビアス氏など、党内の大物でかつドリア氏の反対分子である人物の支持を受けている。
 これに加え、18年の同党の大統領候補だったジェラウド・アウキミン元サンパウロ州知事のグループもすでに、レイテ氏と会談を行い、支持を約束している。アウキミン氏はドリア氏を政界に引っ張ってきた恩人だったが、18年のサンパウロ州知事選の際、ドリア氏が「ボウソドリア」と称して大統領選でボルソナロ氏に票を投じる有権者に自分をアピールしたことで、ドリア氏との関係が決裂している。
 なお、ドリア氏はこれに対抗するため、マナウス市元市長のアルツール・ヴィルジリオ氏への接近などを図っているが、レイテ氏やタッソ氏もヴィルジリオ氏とのコンタクトをとろうとして画策中だ。
 同党の党内選挙では、市長や副市長たちの票と、市議や州議たちの票が、25%ずつの比重を占める。第3ブロックは知事や副知事、連邦議員とブルーノ・アラウージョ党首らの票が占め、一般党員たちの票は第4ブロックとして扱われる。