新型コロナのワクチン接種が進み、13日には接種完了者が1億人を突破、14日には初回接種終了者が1億5千万人を超えた。これを受け、死者の7日間平均は昨年4月末の水準まで落ちた。
13~14日付現地紙、サイトによると、13日現在の接種完了者は人口の47・11%。10億4700万人の中国、2億7260万人のインド、1億8770万人の米国に次ぐ第4位となり、人口比では62位だ。
13日現在の初回接種終了者は人口の70・29%の1億4995万990人、人口比は21位。64・64%で28位の米国を上回った。14日の接種完了者は1億63万2085人、初回接種終了者は1億5017万9756人だった。
サンパウロ総合大学教授で免疫学者のグスターヴォ・カブラル氏は、ブラジルのワクチン接種は年末には70%が接種を終えて、集団免疫による防疫壁ができ始めるために、コロナ禍前の日常に戻るための試みも可能になると見ている。
ただ、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)研究員で呼吸器科医のマルガレス・ダルコモ氏は、新型コロナウイルスはインフルエンザなど同様、生き残ると明言。「予防接種が毎年になるか、2年に1度でよいかは不明」としている。
14日現在の死者は前日比で525人増の60万2099人で、死亡率は2865人/100万人、7日間平均は327人だった。
7日間平均は12日に300人台に落ち、連休の影響とされたが、12日以降は367人、316人、327人で、急増は避けられそうだ。14日の7日間平均は昨年4月29日の366人以下だが、昨年4月28日の261人は上回っている。
14日現在の観察中の患者数25万1541人は感染者の1・2%で、入院者数などが減少している事を示している。
ただし、感染や重症化防止に不可欠な2度目の接種遅れに頭を痛めている自治体は多い。サンパウロ州は16日を、2度目の接種を受ける人と接種完了から6カ月以上の高齢者や免疫力の低い人、医療従事者に特化したVデーとし、5千カ所で対応する。
また、Fiocruzは重篤な呼吸器疾患の患者はやや増加傾向にあると警告。専門家もマスク着用義務解除などはまだ早いと判断している。
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