サンパウロ市の公務員たちは15日、同市の社会保障制度改革に反対し、スト断行を宣言した。15日付現地サイトが報じている。
これは14日の市議会で、リカルド・ヌーネス市長が提案した市の社会保障制度改革案の1回目の投票が行われ、改革案が承認されたことで起こったもの。投票結果は賛成37票、反対16票だった。改革案が正式に承認されるためには、再度行われる投票で過半数以上の賛成を獲得しなければならない。
今回の改正の焦点は、最低給与(1100レアル)以上、国立社会保険院(INSS)の上限(6433・57レアル)以下の年金や恩給を受け取っている元公務員に対する、市社会保障院への納付金(Iprem)の免税措置がなくなることだ。
現状では、IpremはINSSの上限を超える月収がある年金・恩給需給者だけが納付しているが、法改正が行われた場合、最低給与以上の年金や恩給を受け取っている元公務員すべてに14%の納税義務が生じる。
改定案には、年金受給開始年齢の引き上げや積立期間の延長も盛り込まれている。
14日に市議会が改正案を承認した際、主に教育関係の公務員組合員たちが議会になだれ込んで抗議を行い、議会に混乱を巻き起こした。
スト参加を表明したのは、サンパウロ市の市立校教職員組合(Sinpeem)などだ。同組合によると、15日の午前中には他の公務員組合との会合も行われ、スト参加者を10万人規模に引き上げようとしているという。
同組合は、「2018年に源泉徴収額が11%から14%にあがっただけで苦痛だった。市当局が本当に望んでいたのは19%の徴収だったが、断固反対したから14%で済んだ」「14%も天引きしている上に、年金や恩給で生活している人からも徴収することや積立期間の延長、受給開始年齢の引き上げは受け入れられない」との公式声明を出している。
同組合によると、この改正案が実施されれば、市内の元公務員11万3千人が徴税対象となるという。
Sinpeemによると、公務員たちはストと並行し、19日14時にサンパウロ市議会前で抗議行動を行う予定だ。抗議行動は20日14時にも行われる予定で、その場でストを継続するか否かを決めるという。