サンパウロ日伯援護協会(援協、税田パウロ清七会長)は5日午前、聖市リベルダーデ区の文協ビル5階にあるブラジル日本都道府県人会連合会(県連、市川利雄会長)の会議室でマスク合計8万6500枚の譲渡式を行った。これは、日本国外務省が海外在留邦人・現地日系人コミュニティへの感染拡大防止やビジネス環境作りを目的に実施している「海外在留邦人・日系人の生活・ビジネス基盤強化事業」に、援協が申し込んだプロジェクトの一つ。
当日は県連と各県人会に計4万7500枚。日伯文化連盟(アリアンサ)、サントス日本人会、沖縄県人会ビラ・カロン支部婦人会に千枚、ビラ・カロン文化体育協会に三千枚、憩の園、こどものその、希望の家には1万枚で、総計8万6500枚が配布された。
マスクに加え、新型コロナウイルスの感染防止方法、感染した場合に現れる特徴的な症状などが日本語とポルトガル語で書かれたパンフレットも配布された。
園田昭憲援協第三副会長は、「県人会は会員が多いのでマスク配布をしました」と説明し、「皆さんの笑顔を見られ、絆を感じて嬉しい。千枚はたいした数では無いかもしれませんが気持ちが大事」と頷く。
県連の市川会長は「コロナ禍はまだ続き、マスクが必要な状況。県人会の皆も非常に助かると思います」と喜びを表した。「来年日本祭を開催したいと考えており、恐らくマスクが必要ですから助かります」と感謝の言葉を繰返し述べた。
市川会長は「以前は各団体がバラバラに動く傾向がありましたが、コロナ禍になってからお互いに目が向くようになってきた。このマスク配布も良い機会となった」と団体の関係強化にも一役買った様子。「援協を通して日本政府から支援を受けたという印象。良い取り組みだ」と頷いた。
母県紹介のポッドキャスト配信も検討中
県連自体も、外務省の同事業やJICA「移住者の団体に対する助成金交付事業」へのプロジェクト申請を行っている。そのJICA申請分プロジェクトの中では、母県の文化や名物等を説明するポッドキャスト(ネット音声データ配信)を4回計画している。
市川会長は「県人会と母県との関係を強める事が出来れば」と考え、各県人会の若者が中心になって計画を進めている。「ポッドキャストは高齢者には分からない人も多いかもしれないが、将来的に若い人の力が必要。出きるだけ新しいことを考えていきたい」とプロジェクトを通した青年層の活性化と強化にも期待する。
助成金事業でのポッドキャスト配信は全4回を計画しているが「プロジェクト終了後にも続いていけるように成長させていきたい」と意気込みを語った。