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「デジタル布教にも力入れる」=曹洞宗南米国際総監部=清野総監が着任

来社した清野総監、田原書記

来社した清野総監、田原書記

 曹洞宗南アメリカ国際布教総監に清野暢邦さん(せいの・ちょうほう、53歳、青森県)が着任し、挨拶のために書記の田原良樹さんと共に10月8日に来社した。
 総監には昨年10月20日に任命されていたが、コロナ禍のために渡伯できず、10月1日にようやく着伯した。清野総監は2016年9月に『巡回法話』のため3週間滞伯し、パ国など含め伯国内の10都市を巡った経験がある。
 清野さんは「5年ぶりに再会し、覚えていてくれる人も多く嬉しく懐かしい気持ちです」と5年ぶりのブラジルの印象を語る。「世界中がパンデミックの影響を受けていますが、5年前と雰囲気は変わらない」と懐かしむ。
 前回は本山から派遣され、日系移住地では物故者供養(先祖供養)なども行ってきた。「本山から派遣された事もあり、日本のお坊さんに供養されたいと篤い想いを感じました」と振り返る。
 『巡回法話』には非日系人の参加もあり、「法話後の質疑応答が非常に活発でした。わざわざ転宗され勉強されているので非常に熱心な人が多い」と感心した様子。
 「今まで日本でどっぷり活動していたので、南米に来て別の視点の反応が返ってくるので、気付きが生まれ非常にありがたく楽しみ」と期待を寄せる。「篤い想いに触れ、もっと修業したいと伝道の励みにもなりました。共に仏教修業していきたい」と頷いた。
 また今後の目標として「日本では人口が減少していますが南米はフロンティア。今までは遠く参加出来なかった人にも参加しやすいインターネットを介した取り組みをもっとしていきたい」との展望を語った。
 南米国際布教総監部事務所がある南米別院リベルダーデ佛心寺では、インターネット坐禅会や法話会、日本国内の先生を招いた梅花流詠讃歌(仏教の賛美歌)指導などを実施している。
 近年ではスティーブ・ジョブスなどが禅に傾倒していた事から興味を持つ非日系も多く、「日系の方にも非常に大事にしてもらっていますが、非日系の人も増やしていきたい」としてポルトガル語坐禅会なども行われている。
 「今までは、どうしたら来てもらえるかと事を考えていましたが、これからは総監部の方からも近づいて行きたい。年齢としては私も若い方に入るので動き回りたい」と意欲を語った。
 佛心寺と南アメリカ国際布教総監部は、それぞれオンライン活動を強化している。佛心寺のホームページやSNSの一覧は(https://linktr.ee/TemploBudistaBusshinji)、南アメリカ国際布教総監部のホームページやSNSの一覧は(https://linktr.ee/SotozenAmericadoSul)にまとめられている。