新型コロナのワクチン接種開始から9カ月余り経ち、接種完了者が総人口の50%を超えたと20、21日付現地紙、サイトが報じた。人口1億人以上の国では53番目に過半数が接種を完了したという。
集計した時間帯で多少差があるが、21日朝のニュースでは初回接種は1億5247万8506人(71・48%)が受け、接種完了者は1億753万3900人(50・41%)。接種完了後6カ月以上で、免疫力が低い人や高齢者、医療従事者への補強接種は550万2690人(2・58%)と報じた。
接種完了者が50%ではまだ集団免疫はできないし、ワクチン接種は感染を100%防ぐものではない。そのため、過半数が接種を完了した後に変異株で新たな波が生じた国もある。だが、それらの国でも死者数はそれ以前のピーク時以下だ。現在、死者数が新記録を更新中のロシアの接種率は50%以下だという。
ブラジルでの予防接種効果は、接種開始から数カ月で高齢者の死亡例が減った事などで確認された。だが、若年層への接種の進展と接種完了後の抗体低下などで、入院者に占める高齢者の割合が再上昇した上、接種完了後に亡くなる人も出始めた事で補強接種も始まった。
予防接種効果を死者の7日間平均との関係で見ると、10・02%が接種を完了した5月25日は1854人、20・20%に達した8月3日は942人、30・32%となった9月2日は621人、40・21%に達した9月24日は584人、50%となった20日は379人で、その効果は明白だ。
20日現在の死者も373人増の60万4228人で、7日間平均が379人に増えた。死者の平均は12日から300人台が続いている。だが18日の322人以降、19日352人、20日379人と気がかりな動きを見せている。
70%以上が接種を完了して集団免疫ができると、蔓延するウイルスの数が減り未接種でも感染しにくくなる。だが、未接種者や接種未完了者が多いと接種完了者でも感染する可能性が高まる。
12歳未満は接種できない中、地域全体の感染拡大や重症化を避けるためにも、マスク着用などの防疫対策の継続が必要だ。