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ボルソナロ「コロナワクチンでエイズ蔓延」 再び虚報拡散で動画削除=英国政府や大学が完全否定=CPI報告書の罪状に加わる?

21日の放送でのボルソナロ大統領(Twitter)

 フェイスブックとインスタグラムは25日、ボルソナロ大統領がネット生放送で行った、コロナワクチンとエイズを関連づける発言の動画を削除した。26日には上院のコロナ禍議会調査委員会(CPI)で九つの罪状での起訴要求の投票が予定されている中でのできごとだった。25日付現地紙、サイトが報じている。
 問題の発言は、21日の恒例のネット生放送で飛び出した。この中でボルソナロ大統領は、「英国では、コロナワクチンの接種を完了した人たちの間でエイズが想像以上の速さで蔓延しているとの報告が政府内で行われたらしい」という情報を流した。
 この情報元は、英国内で虚報、陰謀論の拡散で知られるニュースサイト「ビフォーイットニュース」だった。これに関しては、英国健康安全保障局広報担当のザフラ・ヴィンダーニ氏がライブの翌日に虚報であるとの声明を発表済みで、「エイズはHIVウイルスで引き起こされる」もので、新型コロナとは無縁であることも明言した。
 また、ブラジルの免疫学の権威であるサンパウロ総合大学の免疫学部門とパラナ州のマリンガ州立大学の生物科学部門も「論理的に整合性がない」としてこの説の不可解さを指摘している。
 大統領のこの発言は放送後にすぐに問題となり、メディアが一斉にフェイクニュースだとして論破した。その流れを受け、フェイスブック社が、同社が運営するフェイスブックとインスタグラムからこの発言の放送動画を削除する処分を下すこととなった。
 フェイスブックは削除の理由について、「コロナワクチンが多くの人を殺したり危害を与えるとする、根拠のない情報を拡散することを当社では認めない」と説明している。

 このフェイスブックの処分に対し、連邦政府からの公式な声明は行われていないが、ボルソナロ大統領が同社やツイッター社からコロナウイルスに関する発言を削除されるのはこれがはじめてではない。
 ボルソナロ氏は昨年から、「クロロキンを使っての早期治療」の提唱や、「反民主主義的なデモ扇動」などにより、投稿の削除処分を受けている。
 こうしたことから大統領は今年の9月、「インターネット法」に関する大統領令を出し、「SNSの企業に発言の削除を認めない」との条項を示したが、上院に審議を断られ廃案となっている。
 ボルソナロ氏のコロナウイルスに関する虚報拡散はコロナ禍CPIでも問題とされ、21日にレナン・カリェイロス報告官が発表した九つの起訴要求罪状の中でも、「シャルラタニズモ(科学的な根拠のない医学上の虚報拡散)」として言及されている。ランドルフ・ロドリゲス副委員長も25日に、「今回のエイズ問題は罪状の中に含むことになる」との見解を示した。
 アルトゥール・リラ下院議長も、「大統領が何の科学的な根拠もなく、このような発言を行っているのなら、自らが宣言した内容について、責任を負うことになる」と発言している。
 26日は上院でコロナ禍CPIの最終報告書を承認するか否かの投票が行われることになっており、大統領に対する起訴要求が認められるかや、20日に提出された起訴要求者リストや罪状に何らかの加筆が行われるかに注目が集まっている。

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