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《サンパウロ市》市立校で100%対面授業に=不強制だが社会的距離置かず

市立校の登校風景(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 サンパウロ州州立校は18日から100%の対面授業を義務付け、11月3日からは社会的距離の防疫基準も解除としている。一方、サンパウロ市内の市立校では25日から、社会的距離の基準も解除した状態で、100%の対面授業が復活している。25日付現地紙、サイトが報じている。
 州立校の場合、100%の対面授業は必須(義務)扱いとされている。18日からの対面授業はまだ、机の間隔を1メートル離さなければならなかったが、その状態では、生徒全員が同時に登校して授業ができる学校は全体の4分の1ほどしかなかったため、生徒の親たちからは反発の声があがっていた。
 そのため、大半の州立校では輪番制を継続せざるを得ず、対面授業と遠隔授業の併用(ハイブリッド型)が続いている。
 これに対し、サンパウロ市の市立校では、100%の対面授業は復活するものの、生徒の出席は強制ではない。それは市の法律で「パンデミックの場合、完全に終わるまでは出欠は当人次第」と定められているためだ。
 このため、自宅学習を希望する生徒は、その事由を記した文書を提出することや、親が宿題やオンラインでの授業への参加に対して責任を負うことも義務付けられている。
 また、サンパウロ市の市立校では、全面的な対面授業復活に際し、社会的な距離の確保は義務付けられていない。そのため、1500以上ある市立校の中で、物理的に100%の対面授業実施が不可能な学校は1%強の19校に過ぎないという。

 「これからはもう輪番制はなく、生徒たちは毎日学校に通うことができる。設備が整わない学校に関してはもちろん、オンラインの授業を続けることになる」とフェルナンド・ペドゥラサンパウロ市教育局長は語っている。
 市教育局は14日に25日からは100%の対面授業再開と宣言しており、それからの10日間を、家族と連絡を取ったり、指導したりするための期間としていた。
 サンパウロ市の市立校で100%の対面授業が行われるのは、昨年3月に新型コロナウイルスのパンデミックが宣言されて以来、はじめてのこととなる。
 今年に入ってからは、2月15日から35%の輪番制での対面授業が再開されたが、3月にはコロナ第2波の影響で休日前倒しの「フェリアドン」がとられ、一時的に閉校となった。
 だが、4月12日からは州の規制が5段階中1の状態でも、35%の対面授業を継続してきた。また、児童教育センターは9月8日から、輪番制なしの100%対面授業を行っていた。
 この日はリオの州立校でも100%の対面授業が復活している。